2分で読める子育てエッセイ№702『運命だったらしい』
毎年、夏休みの時期になると、お昼ごはんのメニューを散々悩んだ挙句に決まるのが素麺。
でも台所で1人、暑い思いをして素麺を茹でている割に『簡単なもの』呼ばわりされる、とモヤモヤするのが定番。
ところが今年は、暑すぎて外出ができず、一日中クーラーのなかで過ごすことが多め。
そのせいか、身体がちょっぴり冷えていて
「温かいラーメンがいい」
というリクエストが増えてきた。
「ひょーっ! 袋麺、今結構高いのよね~」
でも、たっぷり野菜と一緒に食べられる袋麺、いろんな味があるし超簡単なので悪くない。
※
ある日、スーパーでお買い得の袋麺を選んでいたら、ワタクシの好きな豚骨味と高菜味で迷った。
かなりの確率ですでに心は高菜に傾いている。
「でもな~、子供たち食べるかな~」
暑い中作ったものを
「この味・・・ちょっと苦手」
などと言われたら、ただでさえ気候がジメジメにムシムシの上に心のモヤモヤまで増える。
せっかく作ってそれはないなと思い、自分に言い聞かせるように定番を買った。
「いいや、ワタクシ豚骨味も好きだから~」
※
ある日のお昼、冷蔵庫の片隅にあったあるものを、ダンナが目ざとく発見した。
「あれ?おいしそうなものがある~! ラーメン食べようよ」
お昼ごはんに、キャベツと人参たっぷりの豚骨ラーメンを出して、ダンナが用意したものをみたら、それは高菜。買っていたのをスッカリ忘れていた。
自分の好きなだけトッピングできる贅沢。
「これ美味しいわ~」
満足しきって食べていたところ、ワタクシ、ハッと気がついた。
「結局ワタクシ、高菜ラーメン食べてる~」
ワタクシ、どうしても高菜ラーメンを食べる運命だったらしい。
目ざとく見つけてくれたダンナに、珍しく感謝したくなった。
ありがたやありがたや。
すると、子供たちにも、高菜が味変にいいと大好評。
「でしょ? おいしいよね?」
もう、なくてはならないトッピングにまで上り詰めた。
今後、
「これ・・・イマイチ」
などと心を打ち砕かれたときには
「味変すれば?」
と言えば何でも解決しそう。
ステキな魔法の言葉とトッピングを手に入れた。
なんか悩んで損した~。
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