№56【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『お行儀よく並んでいたら』
実家から、たくさんブドウを貰った。
りんごや梨はしばらくそのまま置いておけるけど、ブドウはすぐにシワシワになってしまうように思うワタクシ。
そうグチったらダンナがブドウの保存の仕方を教えてくれた。なるべく超簡単な方がいいんだけど。
「ブドウって枝を2~3㎜残すように一つ一つハサミで切って、キッチンペーパーを引いたタッパーで保管するといいらしいよ」
のど元まで出かかった言葉をどうにかこうにか飲み込むと、ハサミとブドウとキッチンペーパーを敷いたタッパーをダンナに押し付けた。
「よろしくでーす」
すると、ダンナが嬉々としてブドウをパッチンパッチンと切り分け、タッパーに並べながら、ウンチク・・・いやとっても役に立つ保存方法の説明を続けた。
「実の水分が、枝の方に持っていかれるからシワシワになるんだって」
あっという間にダンナはひと箱詰め終わっていた。意外とこういう作業は好きらしい。メッチャ得意げにこれを見せつけてきた。
「ほらっ! なんか、かわいくない?」
お行儀よく並んでいたら、ブドウ感ゼロ。
すぐに食べられるスタンバイOK。
ちょっぴり見慣れぬフォーメーションのブドウたちに思わず
「なんか変なの」
と言った次の瞬間、急にブドウたちが一斉にこっちを向いた。
「ひょーっ! 変なのって言ったから怒ってる?」
それはまるでわが家の小鳥、キンカチョウ。くちばしに見えるブドウの枝が総攻撃をしてきそうな勢い。
こっち見ないで~!
参考
※
「これで1週間くらい、おいしく保存できるかな」
なんて言っていたのに、貰ったブドウもう残りわずか。
1週間、保存するはずのブドウどこ?
今さらだけど、こんなことをしなくてもよかったのかもしれない、とダンナには言いにくい。
サポートありがとうございます! 迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ