2分で読める子育てエッセイ№648『なんか意味あるの?』
体育全般にちょっぴり苦手意識を持っている小6の娘がこう言った
「跳び箱って、なんか意味あるの?」
それで思い出したのは、短大時代にかじっていた、合気道のこと。
「袴をきてみたい」
と、見た目重視の不純な入部動機。
基本だと言われ、どこで使うのかイマイチよくわからん、前受け身を練習していた。
「これ、なんか意味あるの?」
ところが、同じ部の同級生から思わぬことを聞かされる。
「私ね、3日前にタクシーに、はねられたの」
ええっ!
今はどこからみても、ピンピンしとる。
というか、普通に練習しているよね?
「それが、気がついたらタクシーのボンネットできれいに受け身とれてた。かすり傷だけって、すごくない?」
とっさに出てくるほど、ナチュラルに。
どこで役に立つかわからんもんだね~。
すると、こんどはそれを聞いた娘がハッとした。
「私もある! 運動会の時、前の子が転んでぶつかりそうになった時、跳び箱を飛ぶように、怪我なくよけられた!」
どこで役に立つかわからない「これ、なんか意味あるの?」
一応、師範を持っているワタクシの華道の技術も、いまとなっては、わが家の小鳥、キンカチョウに活かされる。
「丁寧にお手入れすると、小鳥たちの豆苗が長持ちするのよね~」
めっちゃ高い授業料だったけど、なんか意味があったみたい。
経験も資格も邪魔にならず。
悪くな~い。
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