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2分で読める子育てエッセイ№559『馴染みのない長いカタカナ』

だんながクルクル寿司をおごってくれた。
子供たちが大喜びで遠慮なくデザートをたっぷりと注文。

「お父さんのおごりだと余計においしいよね~」

という小2の息子のセリフが、ダンナのハートに突き刺さる。
その証拠に

「デザートが小さいからもう1個いい? このチョコアイスおいしい」
という追加注文を気楽にOKしてしまう、ちょろいダンナ。

気がついたら子供たちが2人で5皿目のデザートを注文した後だった。


すると店員さんが前のめりでやったわりに、たどたどしくこう言い始めた。

「あのぉ、さっきぃ注文された~チョコといや・・・チョコホイップのアイス? なんですけど」

チョコホイップ?

家族全員がキョトンとした。

「注文したのはベルギーチョコアイスですが? それのこと?」

「あ~いや・・・はい、アイスなんですが、もう在庫がなくてですね」

おいしいアイスがなくて残念だけど、仕方がない。
何ともスッキリしない説明だったけど話は分かった。

「メニューの名前覚えていなかったのかな?」


それを聞いてワタクシ、遠い昔のことを思い出した。

友達のバイト先で人が足らないので来ないかと声をかけられた。
そこは美術館にある超静かで落ち着いたティールーム。やたらとおしゃれなケーキをおいているように当時のワタクシには見えた。

ケーキの見た目がおしゃれなだけあって、名前もおしゃれ。

えーっと・・・何? この名前? どういう意味?

馴染みのない長いカタカナの名前。

そんな名前のケーキの注文を受けたらさあ大変。
厨房にオーダーを通すときも、時間ばかりがかかる。

仕方なく、

「長四角1つ~、三角の2つ~、丸が1つです~」

とオーダーを通していた。


「あいよ~」

店長もこだわりがない人で助かった。


それ以降、店員さんの商品の名前が読めないこと、そしてやる気はありそうだけど空回りしている人を見るたびに、自分のバイトしているときのことを思い出す。
分かる分かると笑って見逃せるようになった。そして仲間がドンドン増えている気分に。

ところであの時のケーキの名前、ほんとは何だったんだろう・・・。
まさかとは思うけど、ホットケーキとかではないよね?


知らんけど。

【保存版】note mymymama hanko7



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