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2分で読める子育てエッセイ№592『楽器にもお土産にもなるの〜』

ある休日、家族でお出かけした。
海の近くの公園で散歩でもしようということに。

そこはめちゃくちゃ広くて人も少ないので飛んでも跳ねても大丈夫。
小2の息子が喜んで走りまわり、木の枝を見つけては、振り回しても怒られず、とてもいい時間を過ごしていた。

すると珍しく、小5のお姉ちゃんの手にも2本の枝が。

ま、まさかお姉ちゃんも剣ごっこ?
珍しい・・・

と思ってみていたら、突然枝をコンコンと打ち鳴らし民謡のような歌を歌い始めた。学校で習ったらしい。
周りには誰もいないので、家族だけに特別公演。海の公園で。波の音がハマって余計にいい感じに聞こえる。

娘は一曲気持ちよさそうに歌い終わると、しっかりと握って歩き出した。

えっ?
その枝・・・。まさか持ってかえるつもり?
もしかして、いい歌が歌える魔法のステッキだなんていいださないよね?
わが家には謎の枝が結構あって・・・ぶっちゃけ、いらん。

チョットばかり焦りながら娘に聞くと、娘が笑いながらこう言った。

「この枝はわが家の小鳥、キンカチョウのコッコとポワポワ兄ちゃんの止まり木にどうかなと思って、お土産」

うそーん。 優しい。
たかが枝って思っていたのに、楽器にもお土産にもなるの〜? 
剣に以外のものになるって凄くない?

気持ちが嬉しくて、枝を持って帰ることにした。

ところが数日後、娘が持ち帰ったその枝は車の荷台で、干からびているのを発見されることになる。

やっぱり、いらんかったー!



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