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2分で読める子育てエッセイ№731『切手の半分くらいのサイズ』

息子の誕生日。ワタクシの両親と家族、ステーキを専門とするファミレスでお祝いすることになった。

このお店は主役の息子からのリクエスト。
「フォークとナイフでお肉を食べるお店に行きたい!」
どうやら息子は、このスタイルにすっかり憧れをもっているようだった。

それぞれ好みの部位と量を注文し、配膳されたステーキ皿は、熱々を通り越して、ヤケド必須級の鉄板。

「絶対にここには当たらないように気をつけてね」

とアドバイスすると、息子は目を輝かせながら嬉しそうにナイフとフォークをスタンバイした。

飛んでいきそうなお肉を必死にフォークで押さえ、ちょっと筋張ったお肉を全力でギコギコ始める。

でも、もう3回目なので、周りでみている大人も安心。

「おおっ~! ナイフとフォークの使い方が上手になったね~」
なんてお世辞を貰いながら、息子はいい顔して、お肉と格闘する。



この時間は、誰が何を話しかけても無言で全力集中。

ここでは、誰よりもフォークとナイフを使ってお肉を切ることを楽しむ息子。そして誰よりもお肉に対して紳士的だと思った。


そんな息子が我に返り、周りに気を使ってこう言った。
「一口食べる?」

「ええっ! いいの~!」

気遣いがとっても嬉しくて
「ウン!」
とワタクシ返事をした。

すると、

「どうぞ」

と差し出されたフォークの先には、息子が切り分けたお肉がチョコーん。
切手の半分くらいのサイズのお肉が、ちっちゃくちっちゃく刺さっていた。


「小さく切り分けられるようになったね~」
と大人が口々に褒め始めた。


ところがワタクシ、代わりにあげようと切っていたお肉が指二本くらいのサイズ。大人のくせに小さく切り分けることができない、ナイフの使い方がすごく下手な人みたいに見えてきた。


なんだかな。
ちぇっ。





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