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2分で読める子育てエッセイ№667『ささ、もう一ついかが?』

先日、ダンナが1泊の出張から帰ってきた。

ちょうど買い物に行くことになったので、車で家族全員で出かけると、ダンナが1泊2日の出来事を好き放題にしゃべり始めた。


出張中、同僚や上司に気を使ってしゃべれなかった反動が、今こうしてバランスを取ろうとしているのか。

まあ、よう、しゃべるしゃべる。
息継ぎも惜しいほどに。


すると、車に弱い小6の娘。
窓を少し開けて換気をしたいと言い出した。

「もしかして車酔い? さっき、酔い止めのんだよね?」
ワタクシ心配になって娘に声をかけると、娘がメッチャ具合悪そうな声でこう言った。

「車酔いしたのかな、お父さんの声がデカすぎて気分悪いのかな」


うそーん。
ダンナの声で気分悪くなったの?
酔い止めも効かない、ダンナの声、すごくない?


「お父さん、シーッッ! 黙って!」

娘に怒られたダンナ、「待て!」と言われたワンワンのように、しょんぼりおとなしくなった。



帰宅後、気を取り直して、おしゃべりを始めたダンナ。

でも、車を降りた今、ワタクシには秘策があるのよね~。

できるだけ固いもの、大きいもの、噛み切れないものなどなど、都合の良いお土産はたーくさんある。

そんななか、今回ダンナが買ってきたお土産は、もちもちとなかなか飲み込めない柏餅とた~くさん入っている小さめの饅頭。

あら~ちょうどいい~!
ささ、もう一ついかが?
熱いコーヒーもたっぷり入れてたからフーフー時間をかけて飲んでね。


食べている間だけは静かになるダンナ。
狙い通り、ダンナのおしゃべりをセーブすることに成功した。

完璧。
いいお土産でした。



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