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№100【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『追伸・友人は20代の前半で幸せな結婚をしています』

学生時代、ワタクシ、友人と2人で北海道へ旅行した。
友人とは不思議な共通点があり、それは2人とも「店休日」にしょっちゅう当たること。2人が行動したらその威力は倍増。雑誌で店休日でないことを確認したのに、まさかの「臨時休業」に出くわす。でもよくよく思い返してみたら我らの旅行のハプニングは、店休日だけではなかった。

霧で超有名な北海道の摩周湖。
ここに向かうバスの中で、バスガイドさんがニコやかにこう言った。
「みなさ~ん。霧の摩周湖には小さな島があるんですよ~。これは滅多に観られないんですが~、見えるとと~っても幸せになる、と言われているんですよ~」
卒業旅行シーズンだったバスの中。同じような女子学生が色めきだった。幸せイコールステキな彼氏や結婚。そんなことを想像する年代だからかもしれない。
でもワタクシ、事前にこんな話も聞いていた。
「霧のかかっていない摩周湖に巡り合うと、婚期が遅れる」
一体どっちが本当なのか。真逆な説じゃん。

実際、ワタクシ達の目の前に広がっていたのは、滅多に観られないはずの、晴れ渡った摩周湖だった。
「ひょーっ! 霧、霧がなーい」
なんと晴れ渡っているという珍事。
ふだん見られないものがしっかりと観れたので超ラッキー。・・・と納得して摩周湖を後にした。

その数年後、ワタクシ、再び家族旅行で摩周湖を訪れた。
「こ、これが霧の摩周湖? 霧、霧はどこ?」
茫然としているワタクシに、バスガイドさんはちょっぴり興奮気味にこう言った。
「いや~、私、長年バスガイドやっていますけど、晴れた摩周湖初めてです。いいものご覧になれてラッキーですね~」

2回目だっつーの。2回来て2回観ました。確率100%。
霧が有名な霧の摩周湖だからここに来たの。霧、本当に出るの? 霧はどこ? 
結局ワタクシ、霧の摩周湖に巡り合えなかった。

くやしいので、お土産に摩周湖の「霧」入りの缶詰を買って帰った。
そーっと開けてみたけれど、霧、やっぱり見えなかった。
ちぇっ。


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