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2分で読める子育てエッセイ№859『気分を害さないように』

ある日、小4の息子イチの漢字の小テストを見つけた。どうやら、漢字「飛」が分からなかったらしい。
「ワタクシも『飛』がなかなか覚えられなかったのよね~」
ちょっぴり心配になったのでワタクシ、気分を害さないよう息子にシレっとこう訊いた。

「ねえねえ、飛行機ってどうやって書くか教えて。お母さん「飛」をど忘れしちゃった」

すると、ちょうど漢字の宿題をしていた息子。
「それだったら、ここに載ってるよ」
と、機嫌よくドリルを開いてワタクシに見せてくれた。

いや、そーでなくて。漢字かける?と言いたいの。そこでワタクシ、さらにシレっとこう言った。
「ここに書いてみて~」
紙を渡すと息子は、点々の角度をちょっと個性的に書いた。でもなんだか自分でも気になったらしく、首をブンブンふりながらドリルと自分の字をいったりきたり。書き直しながらワタクシにこう言った。
「この点々、この向きではなくて、こうね。間違えやすいから」
ですよね~。あなたしっかり間違えてましたから。
でも、どうやら一応書けるようになったことを確認した。ホッ。

ところがこんどは中1のお姉ちゃんがやってきて、ワタクシにこう訊いた。
「お母さん、英語のここがちょっと分からないから教えて」
怪しいながらワタクシに分かる範囲で娘に教えていると、娘にこう言われた。
「ここに書いてみて~」
幸い覚えていたので、単語を書いてみせると、娘がこう言った。
「よかった、合ってたみたい。お母さん、ありがとう」

そのときワタクシ、ワタクシハッとした。



教えてって、娘は言ってるけど、教えなくても大丈夫な感じだったよ? 
しかもワタクシもついさっき息子に言ったセリフと全く同じ、気分を害さないような質問形式。

「も、もしかしてお姉ちゃん。ワタクシが中1の英語、覚えているかどうか試した?」

ワタクシ、気分を害さない代わりに、ちょっぴりプレッシャーを感じるようになった。
とほほ。




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