2分で読める子育てエッセイ№929『仕方がないので、両方作った』

ある日の朝「今日の晩御飯は唐揚げ」と家族に伝えたのに、午後になって、ワタクシ猛烈におでんが食べたくなった。
でも一度唐揚げと言ってしまったからには後戻りはできない。家族全員唐揚げの口になっているハズ。仕方がないので、両方作った。

ところが、夕飯で両方食べた中1の娘が食後にこう言った。
「お母さん、なんかお腹がスカスカする」
でた～！　最近の娘の口癖、お腹がスカスカ。もはやこれ「お母さんは昔から雰囲気美人」くらいナチュラルな言葉。
「今日は唐揚げとおでんだよ？　もっと食べたら？」
白ご飯を山盛り盛って娘に差し出した。
「もう一回いただきま～す」
たくさん作っておいてよかったホッ。

するとさっきご馳走様したばかりのダンナがこう言った。
「腹減った～」
ひょーっ！　もしや、食べてないと言い出すおじいちゃんになったのかとドン引きしていると、ダンナがこう言い訳した。
「今ダイエットしているから、ちょっぴりしか食べてなーい」
鍋からこんにゃくというこんにゃくをさらってダンナの目の前に突き出した。

ワタクシ、今日はいつもより頑張ってメイン料理を2品も作った。時間も労力も2倍かけた。それなのにクレーム2人ってどうなんそれ。

そのくせ、お湯を入れるだけのカップラーメンを出すと
「メチャうまいねこれ」
文句を言うどころか、大絶賛。
みんないい顏してモリモリ食べると思ったら、毎日それでいいじゃんという気になってきた。

ちぇっ。