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2分で読める子育てエッセイ№701『なんの変哲もない水中眼鏡ひとつ』

小3の息子に忘れかけていた世界を教えてもらった。

「お母さん、もしサイズが合わなかったら手で押さえて使ってみて~」
と手渡されたのは、なんの変哲もない水中眼鏡ひとつ。


さっきまで気持ちよさそうにプカ~っと湯船におしりを浮かべとるなあ、と思ったら、水中の世界を楽しんでいたらしい。


「お水の中がきれいだから、お母さんもどうぞ」

と言うので騙された気分で試してみたらそこは別世界。



入浴剤で染まった緑のお湯が、照明の光でキラキラしとる。

なんだったら熱帯魚でも泳いでいそうな雰囲気。
向こうからは、竜宮城に案内してくれるウミガメがやってきそう。
人魚にも会ってみたい。

ワタクシ、しばらく、お湯の世界を妄想で楽しんだ。


お湯から顔をあげた時、息子がニンマリとしてこう言った。
「どう?きれいだったでしょ?」

ちょっぴりどころか、ワタクシ、しっかり気分転換ができていることに気がついた。



息子はこうやって楽しんでるのね~。
そりゃ、いつまでも風呂から出てこないわけだ、と納得した。



これからは、ワタクシもなんの変哲もない水中眼鏡ひとつ借りることにしよう。


妄想は、退屈・憂鬱・金欠を救う。
悪くな~い。


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