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shizuku_compass
2分で読める子育てエッセイ№701『なんの変哲もない水中眼鏡ひとつ』
小3の息子に忘れかけていた世界を教えてもらった。
※
「お母さん、もしサイズが合わなかったら手で押さえて使ってみて~」
と手渡されたのは、なんの変哲もない水中眼鏡ひとつ。
さっきまで気持ちよさそうにプカ~っと湯船におしりを浮かべとるなあ、と思ったら、水中の世界を楽しんでいたらしい。
「お水の中がきれいだから、お母さんもどうぞ」
と言うので騙された気分で試してみたらそこは別世界。
入浴剤で染まった緑のお湯が、照明の光でキラキラしとる。
なんだったら熱帯魚でも泳いでいそうな雰囲気。
向こうからは、竜宮城に案内してくれるウミガメがやってきそう。
人魚にも会ってみたい。
ワタクシ、しばらく、お湯の世界を妄想で楽しんだ。
お湯から顔をあげた時、息子がニンマリとしてこう言った。
「どう?きれいだったでしょ?」
ちょっぴりどころか、ワタクシ、しっかり気分転換ができていることに気がついた。
息子はこうやって楽しんでるのね~。
そりゃ、いつまでも風呂から出てこないわけだ、と納得した。
これからは、ワタクシもなんの変哲もない水中眼鏡ひとつ借りることにしよう。
妄想は、退屈・憂鬱・金欠を救う。
悪くな~い。
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サポートありがとうございます! 迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ