2分で読める子育てエッセイ№639『なんか、聞いたことあるんですけど』
ある日の夕飯後、食べたばかりなのに、それぞれがおやつを食べて、まったりしていた。
「おかずが1品、足らないのが家族の胃袋にバレとる。そりゃお菓子たべちゃうよね」
とちょっぴり焦るそのタイミングで、家族にこう聞いてみた。
「夕飯のリクエストある?」
すると、ダンナが真っ先に勢いよく手を挙げた。
「はいはーい! 俺、生姜焼き!」
それにつられ小5の娘がこう言った。
「私、ピザと親子丼」
さらに小2の息子まで
「僕グラタンとかつ丼!」
とリクエストがいっぱい。
あら、珍しい。
いつもは「なんでもいいよ~」なのに。
そうこうしているうちに、あれやこれやと追加され、1週間分の献立が揃った。
「やったね! しばらく『夕飯なににしよう』って悩まなくて済む~」
食材を買っておけば、あとは、ただただワタクシの好きな順番で料理を作ればいいだけ。
ひゃっほーい!
今まで何回もリクエストはないかと聞いたけど、今回ほどたくさん出たのははじめて。
そっか~、ちょっぴりお腹がすいているときに、聞けばいいのか~と、秘策を知った。
ニヤリ。
次の週、同じようなタイミングでまた家族に聞いてみた。
すると、
「俺、生姜焼き!」
「私、ピザと丼もの」
「僕グラタン!」
なんか、聞いたことあるんですけど。
それもそのはず。前回のリクエスト、ほぼ、そのままが繰り返された。
え?
同じでいいの?
それを聞いてワタクシ、大昔のことを思い出した。
献立に困った母に必ずリクエストしていたこのメニュー、
「手作り餃子がいい~!」
あのね~、他にもおいしい料理作れるよ。
たまには別のメニューを言ってよね。
という母の視線が刺さる。
あ・・・。
ワタクシもやっちゃってた?
さらに、こんどは超都合がいいことを思い出した。
節約上手とか、お料理名人が言ってたとっておきのセリフ。
「家族って、珍しいものが食べたいわけではなくて、食べなれたものがいいんです」
ですよね~。
めんどうだと思っていた夕飯の献立のハードルがググっと下がった。
だったらしばらく、夕飯のレギュラーメンバーはこのメニューでいいじゃーん。
そのうち誰かが、飽きた~って言い出すよね?
でも・・・その誰かは、きっとワタクシ。
・・・、ふり出しに戻る。
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