2分で読める子育てエッセイ№726『呪文をこう唱えた』

先日、小6の娘が手作りしたスライムが逃げた。


作りたてほやほやのスライム



もしかしたら、娘が小学校に行っている間、スライムが退屈過ぎて、ゲームと同じように勇者に挑みたくなり、勝手に出かけてしまったのではないかと考えた。

「それだったら、書置きなり、一言声をかけるなりしてくれればいいのに」

でも、娘はたいして気にしていない様子。
そのうち、ワタクシもスライムのことを忘れてしまっていた。


ある日、娘が驚いた様子で、これを見せに来た。

「お母さん、これ何かわかる?」


「え? ナニコレ?」

一部ブニッとした感触があるものの、ほとんどはキレイに透けている、ペラっペラの紙みたい。


「お母さん、これ、この間作ったスライム。カッピカピになっちゃった~!」


ええっ!
出かけていたスライム、みつかったの? どこで~?

どこにも切り傷が無いところをみると、どうやら勇者には会えず、そのままカッピカピに乾いてしまったらしい。スライムがカビていないことだけがせめてもの救いだった。

「ラップをしておけば、あるいはもう少しマシだったかも」

ワタクシ、ちょっぴり悲しんでいると、その横で娘がスマホで何やら検索を始めた。


「ふんふん、結構あるね。スライムを復活させる方法」


なんと!
娘はスライムを諦めていなかった。

なんだか復活魔法を操る魔法使いみたいに頼もしい。
どんな技を使うのか、楽しみに様子を見ていたら、娘が呪文をこう唱えた。

「え~っと。よくわからんけど、お水とか、洗濯のり足してみたらいいんじゃない?」

うそーん。
なんか、思ってた魔法とはだいぶ違うんですけど。

娘は呪文を唱えた後、なんのためらいもなく、小さなプラスチックのコップに、乾ききったスライムをギューギューと詰め込むと、お水を注ぎ、適当に洗濯のりをぶっかけ始めた。

どっちかっていうとその姿、魔法って言うより、ワタクシの適当料理と一緒じゃない?

え~。


そして今、スライムは厳重にラップを掛けられ、復活の時を待っている。
時々、娘が様子を見ながらコネたり、水や洗濯のりを足したりしているけど、まだまだ、ダマダマ感が否めない。


ここから、滑らかに復活できるか! スライム!


ダメだったら、他の魔法が待っているぞ。
きっと適当にぶっかけられるだけだけど。





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スライム作りにはこれ!
作り方が箱の裏に書いてあるので超便利(^▽^)/






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