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麻痺肢の使用は大脳皮質を変える?

こんにちは!
理学療法士をしているyukiです!
記事の最後でプレゼント資料をダウンロードできるので、日頃の勉強やご自身の活動などに是非ご活用ください。

今日は、脳の可塑性の原則2つ目と題して、”麻痺肢を使うことで改善するのか?”というテーマでまとめていきます!

結論から伝えると、

脳卒中者において麻痺肢を使用することで改善を認めます!

今となっては、常識とも言えることとなっていますが、ではどのように改善を認めるのでしょうか?

リハビリテーション介入により、麻痺肢の改善はどんな影響を脳内でもたらすのか?
損傷脳の回復に寄与するのか、行動レベルでの変化はあるのか?

そして、最新の知見、今後の展望としてどのようなことが考えられているのか?


それらの疑問を解決していきます!


使うことで改善するか?

原則1では使うか?失うか?と題して、使用しないことで脳領域に変化が起こることをまとめていきました↓

上記の内容のように、使わないでいることで脳の機能性が低下することを示す研究とは対照的に、訓練を重ねることで特定の脳領域に可塑的変化をもたらす研究がいくつか報告されています。

その研究内容をまとめていきましょう。

小さなケースから餌を取り出すように訓練したサルは、一次運動野の指に関連する領域の増加を示しています(1)↓。


また、同様に手を伸ばして餌を取るような訓練をしたラットにおいても運動皮質の前肢の領域が増加しています(2)↓


更に、これらの大脳皮質では、シナプス形成や聴覚野、体性感覚野でも、感覚識別のトレーニングに伴い脳の再編成が確認されています(3-5)↓

このように、技能訓練による感覚や運動能力の向上は、大脳皮質内の可塑性をもたらすことが報告されています。

これらの報告では、リハビリテーションにおいても同様の神経変化が起こり、機能改善に繋がると考えることができます!


現在のところは、脳の可塑性に関して動物実験が多いですがサルなどより人類と類似した動物での研究結果は有意義な報告が多いと思われます。

上記までの報告のように、感覚機能、運動機能ともに、機能レベルにおいては何かしらの刺激や介入を行うことで、皮質レベルでの変化を起こすことができるようです!

一方で、臨床上でもよく悩む点だと思いますが、機能レベルが変化してもADLなどの行動レベルで変化を起こすことが可能なのか、といった疑問は多いのではないでしょうか?

ここからは介入による大脳半球間の変化や行動レベルにおける研究の知見を簡単にまとめた内容と、更に、今後のリハビリテーションの主流になることが考えられる、細胞外治療との組み合わせによる効果はどのように認めているのか、論文の知見から紹介していきます!


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