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昼ごはんの楽しみ方 #4 『水口で食べる青春の味。"スヤキ"とは?』

滋賀県の水口に伝わる珍しい刀剣「水口レイピア」を見学したあと、何か水口のご当地グルメのようなものはないかな、と探していたら、たまたま谷野食堂で提供されているという「スヤキ」なるものを発見した。
水口のソウルフードなのだという。

「スヤキ」とはいったい何なのだろう?
よくわからないまま、谷野食堂に行ってみることにした。

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谷野食堂に到着。
いかにも大衆食堂ぽい風情である。
早速「スヤキ」を注文してみる。

出てきたのは焼いたそば。
いわゆる、焼きそばなのだが、何かが違う。

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見た目が塩焼きそばっぽい。
だけど、そのまま食べると味がない。
そう、味がついていないのだ。
素材そのままの麺の味を楽しむとか、そういった趣向かというとそういうわけでもないようだ。

なんと、味は客が自分でつけるのである。

テーブルには塩胡椒やソースが置いてある。あとは七味もかけることができる。
肝心の味付けがセルフサービスなのだ。

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しかし、実際、食べてみると、これがなかなかいける。
自分で味を調節できるということと、いろんな味にすることができるというところがよい。
ソースに飽きたところで七味をかけたり、なんてことができる。
なんだか、上等なUFOという感じ。
そう言うと誉めていないような気がしますが、そんなことはない。
僕は中学生くらいの頃、UFOが一番美味しい食べ物じゃないか、と思っていたくらいなのだ。

それにしても、どうしてこのようなスタイルが誕生したのだろうか。
かつて、近所の高校生が、放課後になると次々と店に訪れたのだそうだ。
それに対応するために、炒めた麺だけを出し、あとの味付けは学生たちにテーブルでやってもらうことにしたというのが、始まりなのだそうだ。

こんなふうに、やむにやまれずやってみたら爆誕というメニューが世の中にはとても多い。
アイデアは余裕がある方が生まれやすいと聞くけれど、切羽詰まった時に生まれたりすることもあるようだ。

青春の味「スヤキ」として売り出されていた理由がわかった。
僕にとっての青春の味がUFOだとすると、水口の学生にとってはこの「スヤキ」なのかもしれない。


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