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焼き鳥と昭和の商店街。私達はいつだって、「温かみ」のある食事を求めている。

机に置いてある、ラップがかけられた晩御飯。

“レンジで温めて食べてね“と書かれた置き手紙を片手に、冷たくなった器を電子レンジの中へといれた。

両親が共働きでなくとも、1度は経験したことがあるそんな場面。

なんでだろう。

コンビニ弁当やデリバリー、カップラーメンよりも、「人の手」で作られたご飯は冷めていても温かく感じる。

食事を通しても、自然に人との繋がりを求めているのかな。

【水曜日のひかり】を読んでくださっている読者の情報を聞きつけて、私は砂町銀座商店街へとやってきた。\ありがとうございます!!/

名前に“銀座“とあるが住所は江東区。
「砂町銀座」と命名されたのは昭和7年。当時日本一の商店街であった銀座通り商店街に負けないよう、銀座の頭文字を取り、繁栄の願い思いを込めて命名された様だ。670mの長い長い商店街には180店舗が営業しており、現在もなおたくさんの人に愛されている。

(砂町銀座商店街公式サイト引用)

アーケードをくぐれば昭和にタイムスリップしたか様な物懐かしさ。(いや私は平成生まれ←)

左右には所狭しと店が並び、BGMはなんとも言えない「嬉しい雛まつり」に頬が緩んだ(笑)また上を見上げれば、すこし色あせた万国旗が空を彩っている。

時折セピア調に見える古きよき街並みに、私は目をゴシゴシ擦る。

これはもはやヴィンテージ。味がある。

実際に昭和の時を過ごしたことはないが、きっとこんな感じだったのだろう。幻想でも、金八先生や柏木達也が歩いていてもなんの違和感も感じない(笑)

それにしても、まだ中間地点にも程遠いのにも関わず、何店お惣菜屋を見つけたことだろう。

おにぎり、おいなりさん、コロッケや唐揚げ、かぼちゃの煮物に厚揚げ、天ぷら、餃子に肉まん、肉ずめなんかもあってまさに選り取りみどり…!!

この通りのみで献立が完成してしまう(笑)

あっちこっちから漂う「お母さんの味」。いるだけで幸福度が上がるのは何故だ!?

しかも正午近くということもあってか、どの店も出来たて!揚げたて!蒸かし立ての三拍子!思わず足を止めてしまう決め台詞が私をとことんうろたえさせた。

かっ、勘弁してぇ……(大泣き)!!!!!!!!

もちろん私の腹の虫も大暴れ。

都心だってオシャレで綺麗で美味しそうな店が立ち並んでいるが、食欲をこうまでダイレクトに刺激されることは少ないように感じる。

極めつけには愛嬌満点のおばちゃんのエプロン姿。きっと誰もが自身のお母さん、おばあちゃんと面影を重ねてしまうことだろう(笑)

けれど、それだけじゃない、人が求める「本質的ななにか」がこの商店街にあるような気がした。


あれれ〜~~?????(キョトン)

買う物を定め切ることが出来ないうちに、私はとうとう商店街の端まで来てしまったようだ。



「アホか!!!なんでなにも買わなかった!!泣」と自分の優柔不断さを責めながら、崩れ落ちる膝を必死に抑えていると、なにやら美味そう、いや「美味い香り」が私の鼻へと舞い込んできた。

その香りの出処は、赤文字で大きく書かれた「やきとり屋」。


これは事件だ…!!!(私焼き鳥大好き)



大胆に大皿に盛られた数種類の焼き鳥目掛け焼き台へと駆け寄ると、炭火の煙が目にしみた。

お惣菜屋のおばちゃんたちとは反対に、眺めるお客にも目もくれず、淡々と焼き鳥とむきあう寡黙な男性。余計なことは喋らない姿は逆にそそられるものがあった←

メニューはシンプルに焼き鳥ともつ煮のみ。

焼き鳥ラインナップも

カシラ/ナンコツ/ハツ/タン/レバ/豚バラ/とりねぎ/もも肉/ツクネ/とりかわ/トントロ

変わり種なしの真っ向勝負。(好き)

ど、どれも大振りなお肉がおいしそぅ…♡

スーパーやコンビニ、夏祭りの屋台で売られているものと比べても1.5倍はありそうだ。

お持ち帰り専門店なためテーブルや席は設けられていないが、店前で立ち食いならオッケーのこと!
空腹も限界を超えていた私は半場生理的に、もも、かわ、タンを注文した。

注文時にタレか塩かを選択することができ、散々悩んだがあまっじょぱいが好きな私は今回はタレをセレクト。

「どうぞ、」

受け渡しも超クール、直ぐに焼き作業に戻るお兄さんは職人だ。

へへへ♡皿底に溜まっているタレにニヤけがとまらないな〜~/////←(牛丼でも汁だくを頼むタイプ)

ここはまずももを頂こう。

おっ重ッッッッ………!?

串一本の重さが私の知ってる重量感じゃない…!!
見た目の大きさは、肉の密度にも比例していた様だ。

ゴクリ……

(まてまて~~~///肉から立つ微かな湯気にこの照りよ・・絶対美味しい絶対美味しい食べる???食べちゃいます???あ、あああ、ああああーーーーーーーーーー)

ガブッ

ンーーーーーーーマッッッッ!!!
キングッッッオブッッッもも!ありがとう!!!!!

はぁ~~~今は減量、ダイエットでブームは胸orささみ肉だけどもう優勝!!もも肉が優勝!!!!(盛大に拍手)

たっぷりかかるタレは思いのほかあっさりしていて、肉の味を邪魔しない。程よいジューシーさにずば抜けた満足感…ッッ!これこそもも肉。絶対に外れない、外れるわけのない1本は、紛れもお前だよ…涙

この店が高校時代に近くに無くて本当に良かった…私は安堵で胸をなで下ろした。

だってこんな美味い、しかも安い焼き鳥屋があったら買い食い所じゃ無く破産する。お弁当までも焼き鳥にしてしまう。

ひいいいおしいし~~~(もぐもぐ)どんどん食べちゃう(もぐもぐ)1つがこんなに大きいのに余裕過ぎる…(ごっくん)

飲むように平らげた後は私の大好きな皮。

ぅ〜ん、360度テラテラ光る皮タレはビジュアル的相性抜ッッッッ群…//////////

キレイだー!!!!!!!!!

ガフッッガブッ


ヒィィィィィイ~〜/////
まって、ちょっと辛い…美味すぎやん…

余分な脂は全て炙り落とし、上質な旨みのみ閉じ込めた皮は噛む度にジュワッジュワッと溢れる旨み…!!!!!!!!!!!

これは絶対にビールに合う。

でもビールと食べたら美味すぎて悶え苦しむ姿が目に浮かぶから今回は自重する←

皮ってプルンプルンでチュルンチュルンだから、勢いよく食べ進めすぎるとあまり噛まずに飲み込んでしまうから注意が必要。

あー永遠と噛んでいたい(真顔)


さ、最後はこのどデカいタン…!!!!!

大きめの消しゴムの様な厚みとサイズ感(微妙すぎる例え)馴染みある焼肉屋のタンと同じものとは到底思えない……。口が小さな女性ならかぶりつくのに少し大変かもしれない(笑)

ガ、、ガブッっっ


・・・・・・・・・ッッッッ!!!!!!/////
なっ何だこの噛みごたえは!!/////

ゴリッゴリっと楽しい食感なのにパサつきのないしっとりした不思議新感覚・・・!これは人目もはばからずに食べ進めたい。タンは一定数のファンを持つ人気部位。我こそはタンマニア!!!!!という者はぜひとも経験してみてほしい1本だ…!

フゥ、ーーーーーーー食べたぁ…。
軽食のつもりだったがこれは想像以上のボリューム感。ちゃんとお腹いっぱいになった。

「ごちそうさまでした」と食べ終わったお皿を返すと、
無言で受け取るお兄さん。

思ったら、

「ありがとうございました。・・・またお願いします。(ニコッ)」

ちょっ、、、、、ギャップ萌え、、、。

お兄さんの不意の笑顔にやられた私は、ふらふらと砂町銀座商店街を後にした─────。


食事って不思議なもんで、知らず知らずのうちに心と心を通じ合わせる手段として大きな役割を果たしていると私は思う。

だから、「食卓を囲む」行為は世界共通で存在している習慣なのだろうか。

「体の栄養補給」をするといった直接的な意味合いだけでなく、目に見えない気持ちの部分でのやり取りが、心を癒しているように感じている。

けれども、今は様々な事情からそれがやむを得ない現状がある。

そんな現代だからこそ、この砂町銀座商店街のような、歩いているだけで温もりの感じられるような場所がもっと増えればいいなと、私は思った。

冷凍食品より、ファーストフードより、作り手と消費者の距離感がずーっと近い、近所のおばちゃんからのお裾分けのような雰囲気。東京に住んでいるからそう思うのかも知れないが、そういった文化は逆に新鮮さを感じてしまった。

なんかさ、食べていなくともあのお惣菜には愛情がこもってるって分かったんだよね。

そんな時

愛とか温もりって、食事で形にできるだ


そう気付かされた気がしたんだよ。

私はこれから大人になって、冷めたご飯を食べる側から、冷めたご飯を用意する側になるだろう。

1番は家族が作った出来たてを一緒に食べることだけど、どうしてもそれが叶わないときには、食べる人が、作り手が家族でなくとも、冷めていても「温かみ」を感じる食事を用意してあげたい。

街全体が繋がり合っていた頃が今もこれからも必要なんだと思う。

「心の栄養補給」ができる場所、砂町銀座商店街。

私はこの場に行くことが出来て本当によかった。

今度またここに訪れることがあったら、この店の焼き鳥と、お惣菜いくつか買って帰ってさ、お父さんとサシ飲みしてみたい。


今日行ったお店は「竹沢商店 」でした!

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