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#479 読書記録「BUTTER」

2023.11.24.
今年ラスト2か月で3冊本を読む…という、実は私にとっては若干ハードル高めな設定をしてみた。24日で1冊…あれ、年内3冊、間に合わなくない?


今回選んだ本は柚木麻子さんという方が書いた「BUTTER」である。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。

新潮社HPより

この本、どうして手に取ったかと言えば、インスタのリールに本の紹介動画が現れたからだ。本紹介をするアカウントなのか、その動画ではいくつかの本が一気に紹介されていた。
その中で、本屋で一番に見つけたのがこの「BUTTER」である。

東京で、ある女性の周りにいた男性たちが不審な死を遂げる。婚活詐欺をし、その上男たちを殺害したのではないかと言われるその女性は、若くも美人でもなかった…。

うーん、なんだか聞いたことがあるな!

と思ったら、実際にあった首都圏連続不審死事件がモデルになっているそうだ。そう、木嶋佳苗の事件である。実は事件当時私も思っていたのだ。「何でこの人が何人もの男性を魅了したのか」と。

このお話の主人公は、容疑者である梶井真奈子を追う女性記者。梶井真奈子と関わるうちに、主人公も運命を狂わされていく…というストーリーだ。


いやあ、本当に先が気になりすぎてどんどん読めてしまった。できるだけ通勤時間を使って読もうと思っていたのに、ついついやるべきことをやらずに読み耽ってしまうことが何度もあった。

作者の柚木麻子さん、物事の描写がちょっともったり?していて、特に料理については食欲を刺激される。
読むともれなくバターの存在が気になり始める。何よりもそそられるのは「バター醤油ご飯」である。

ネットから拝借

結局事件の真相も、ところどころの解釈も、私には「結局どういうこと?」と理解できない部分があったのだが、
このお話は、梶井真奈子という強大な人物と関わることで飲み込まれ揺さぶられ我を失った主人公が、自分の適量を知る物語…のように感じた。


ミステリーが好きな人
己を見つめ直したい人
人からの目線が気になる人
料理が好きな人
食べることが好きな人

おすすめです!


ちなみに作者の柚木麻子さん、noteのNHK出版のアカウント内でエッセイを書いたりもされていて、

↑この記事のエッセイも、「BUTTER」の切り口と似ているように感じる。こういうテーマが得意な方なのだろうか。

柚木さんの他の本もどこかで読んでみたい。


#教員エッセイではない
#読書記録
#BUTTER
#柚木麻子

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