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【らき☆すた】のギャルゲー全ルート攻略完了、俺のTierリストを"もっていけ"

【らき☆すた〜陵桜学園 桜藤祭〜】これはらきすたのギャルゲーである。
私は約10年前にこのゲームを攻略し、先日ぽろっと部屋からこいつが出てきたので10年という年月を経て自身の性癖も洗練され理解が深まっているところで今一度向き合おうとしたところである。

このゲームはオリジナル主人公の俺くんがらきすたキャラクターと仲良くなって告白して付き合うまでを描いた話である。それ故に付き合ってからの様子だなんだというのが存在せず、当時の私はそれに対して非常に物足りなさを感じた。そのためこのゲームの評価も低かった。なんなら全ルートクリアするまでに飽きていた。
だが今プレイしたところ、これは非常に趣深いものがあると。こっちはどうだこいつはどうだと様々なルートに惹かれあれよあれよのうちに全ルートをクリアし、エピローグにまで至った次第である。

なぜ低評価から高評価へ至ったのか。性癖の開拓により楽しみ方が変化したというのはある。これにより一部キャラにおいては過去気にも止めなかったいわゆる「曇らせ」性癖なるものにより大化けした。
だがある意味で最も大きな要因はようやってくれた感、である。復帰一発目に私はみゆきルートをクリアしてこのようやった感を味わった。そしてそれは全ルートクリアした今においても想いは変わらない。この辺りの心情は最後の方に統括ということでまとめておく。

そんなところでとりあえずはこの記憶がまだ鮮烈なうちに各ルートのTierリストを作ろうという次第だ。
なので早速見ていこう。一応だけどメインルートがあるキャラだけで見ているので黒井先生は入れない。よしんば入れるとしたらまあBかCが妥当か。

言うまでもないがこのランクは私の性癖に基づいたものである。そのため人により評価がなんだのという話は言うに及ばない。

らきすた最強キャラTierリスト

S 柊つかさ 岩崎みなみ
A 柊かがみ 高良みゆき 日下部みさお
B 小早川ゆたか 
C パティ 田村ひより 泉こなた
D 峰岸あやの

Dランク なぜこいつを入れた

峰岸あやの

峰岸あやのルートについては小見出しの言葉に尽きる。
そもそもこいつは原作からの彼氏持ちでありその設定はこのゲームでも変わらない。寝取りでもなければBSSにもならない。俺くんが勝手に惚れて勝手に諦めて終わる。虚無空間。

転校生である俺くんは峰岸に彼氏がいると知らずに優しくしてくれる峰岸に好意を抱く。そのことを周りがなんとなく察するも誰も彼氏がいると教えてくれず結局さあ告白するぞってところで彼氏がいることを知り、特に告白してフラれたりだのということもなく本当にただ勝手に惚れて勝手に諦めて終わる。
せめて盛大にフラれたりあるいは彼氏にデレデレしているところを見れたりなどすればその道のマゾからすればたまらないかも知れないがそういったこともない。ただただ外野の人間として終わるため何一つとして感情を揺さぶられる要素がない。ストーリーとして面白みもない。

ただこなたルートの一種として見るとどうにもなかなかどうして拗れた性癖を呼び寄せる要素がある。それはこなたのところにて記載する。

最も悪辣な点として、こいつのルートをクリアしないと日下部みさおの攻略ルートが開放されないという点にある。別にやらなくて良いならこんなも
のなかったことにすれば良い。ただ全ルートやる、あるいは日下部みさおを攻略したいのであれば必須となるのがたちが悪い。更に日下部みさおルートのストーリーが良質であるのがまた悪辣である。
なぜこいつを入れた、本当にそれに尽きる。

Cランク オタク属性過剰によるパンチの薄さ

パティ・ひより・こなたがこのランクに当たる。メインキャラというか原作における主人公であるこなたがここに入るのが意外に思う人もいるかも知れない。私もそう思う。ただどう冷静に考えても相対的に見てあんま強くないよなあ感が否めない為にこのランクへと落ち着いた。
この3人にまんべんなく言えることだがこのゲームにおいてわりとどのキャラもアニメや漫画のネタを口にすることがあり、オタクキャラのルートでなくてもそういう要素を楽しめてしまう。それでいてオタクが3人もいるためなんというかどことなく食傷気味になってしまう。
あとはまあそこまで特筆すべき火力がなかったというところもある。

パティ

アメリカからのハイテンション片言BLオタク。こなたの友達でバイト仲間。俺くんを攻略せんとするこなたに対抗心を燃やしてインターセプトしてきたりと煌めくものを持ってはいるのだが全体的に可もなく不可もない優等生なシナリオに収まっている。
無論かわいいのはかわいいし良かったのは良かったが特筆してものすごい良かったところがあるかと言われたらなんとも言えない。個人的には尖った女が好きなのであまり相性が良くなかった。

やっぱりこういう時には片言じゃなくてI love youが出るんだなというのは素晴らしさの現れ。

田村ひより

自称地味なメガネの腐女子。普通にかわいい。自己評価が低くてうじうじしてる女が頑張って告白までこぎつけているのは素晴らしい。持っている力もかわいさも申し分ないのだが上と比べるとどうしてもパンチに欠ける為、相対的にこの位置となる。人によってはかなり評価が化けそう。
こち亀の中川みたいなテンションで先輩って呼んでくれる子はこのゲームにおいて貴重なのでオタクネタ過多なこのゲームの中でもわりと個性というか固有の武器を確立しているように思える。
やってみたら存外こいつのルート好きだったがありえそうなので手にとってもらいたい。

年頃の腐女子に「衛宮士郎」より格好良い男という重すぎる称号をもらえる。ひよりからの圧倒的なでかさの感情を感じる。
普段自分の介入しないカプ厨の腐女子をしているが本人としてはこういうちょっと強引に攻められたいところまだまだ青い乙女心を抱えているなというのが分かり血が滾る。

泉こなた

攻略ルートは普通に良い。攻略ルート以外でほぼ確実に俺くんの攻略失敗してフラれたような空気が出るから他のルートを見れば見るほど負けてる女という印象が生まれるのが良くない。
全体の流れとしてこなたはギャルゲー感覚で俺くんを攻略しようとするところから始まったが徐々に本気になっていきどんどん演技ちっくなノリがなくなりしおらしく乙女チックになっていく。
オタクネタをふんだんに使ったこなたらしいテンション高いノリが仲良くなるにつれ、恋が深くなっていくにつれてどんどん削ぎ落とされて純度高いラブコメになっていくところには光るものを感じた。

だがそれ以上にフラれている印象が圧倒的にでかい。特に私はこなたルートをやったのが全キャラ中でも後半だったので他ルートでの不憫な立ち回りが目に焼き付いていた。それがカタルシスにもなっていたのだがそれにしても他のルートでほぼ毎回間接的にフラれるのはどうなのかとも思う。
攻略ルート以外ではまずこなたが俺くんに対して攻略フラグを立てようとするもなんやかんやでそのルートのキャラと俺くんのフラグが立っていく様を見てああ攻略失敗したか、と言うような立ち回りがほぼ全てのルートに存在する。
ちょっとおどけ気味に言っている状況が多いが真っ当にやきもちを焼いたり悔しがったりする場面も見られるのでゲーム感覚というだけでなくそれなりにちゃんと俺くんに惚れていたのだというのがほんのりと分かる。
これを目にする回数が圧倒的多いため、メインヒロインのはずなのにものすごい噛ませ犬、もっというなら負けヒロイン感を感じてしまう。それによりメインヒロインなのに王道感、やっぱこれよとなるパワーが損なわれているような気がしてならない。

ただ数少ない例外として前述した峰岸ルートにおいては間接的に峰岸にフラれた俺くんを、間接的にフラれたこなたが慰めるという因果な性癖を呼び寄せそうな役割をしている。
峰岸ルートなのに最後は俺くんとこなたが2人きりで話をして終わるというやるせなさ、儚さは他の追随を許さない。ここでこなたが私で我慢しときなよとは言ってこなくて心底助かったと思う反面そういう美味しいんだがなんだかよく分からない立ち回りの役があっても良かったのではないかとも思う。

峰岸ルート終盤の役割。この辺の終末感溢れる地獄の空気は拗れ性癖を呼び寄せそう。

あと気になったのはギャルゲーワールドでここで使わずいつ使うのだというのに貧乳ネタを使わないことだろうか。ここで貧乳ネタ切らずにいつやるのだと思う反面、確かに男がいるところでの貧乳弄りはらきすたという作品的にアウトだったのかも知れないと考えると納得がいく。

個人的に私がこなたのことをそこまで好きでないからかも知れないが全体的にのっぺりというか突出した部分がないストーリーだったかなという印象があった。だが確実にらしさとギャップは存在していた。その道の者から見たら化ける可能性を持っている。
いつか、誰かがこのルートを拗らせるだろう。だがそれは今日ではないし、俺でもない。

Bランク 良くも悪くも尖っているが純全たる力もある。

小早川ゆたか

たった1人のランクとなるがゆたかはここに位置する。このランクに鎮座しているのは純全たるゆたかの可愛さが成せる力に他ならない。そこだけ見ればAランクでも全然問題なく思える。
そうなった時に後述する尖っている部分が良くも悪くもゆたかをBランクたらしめていると言わざるを得ない。

ゆたかのルートについては個別に記事を作成しているのでとりあえずそちらをざっと画像だけでも見てきてもらえると話がしやすくて助かる。

すごくかわいかったしストーリー的にも力を感じられた。だがいかんせん全てにおいて賛否両論が過ぎる。
個人的には歓迎だがやはりなによりも百合の間に割り込んで片方かっぱらっていくのは令和の世では敵を作りすぎる。
あとやっぱりどうしても最後のお兄ちゃん呼びがどうにも腑に落ちない。そこは個人的な否である。

他にもみなみが俺くんに対して敵意むき出し過ぎてまあ原作との差異は感じた。
無口で目つき悪くて長身だから冷たく見られがちだけど本当は優しく友達想いってところはブレてなかった。だが友人以外、特にゆたかに害をもたらす可能性のある存在に対しては冷たくなれるし冷たくする、それはギャップにならないのよ。本心はそうでもないのに見た目のせいで冷たく見られがちってところがミソなのに本当に冷たくしたらそれ人によって態度変えてるだけなんだわ。

まあそういったところ細かいこと考えるとこれでいいのかってなる部分はあるけど持っている力は本物。これはマジ。流石にくそかわいいしみなみルートへの溜めとしてもものすごい力を持っている。

Aランク 元来の魅力+ギャップの展開

このランク帯においては元々のキャラに合っている展開に加え、なるほどそうくるかという攻めのギャップが交わりこのゲームならではの独自の魅力を生み出したことが高評価となっている。
これはギャルゲーだったからこそ、ラブコメでなければ見ることのできなかった側面である。それでいてこれは「やりそう」感がある展開が多いところへ非常に好感が持てる。
出番の多さで遺憾なく力を発揮するかがみとみゆきに比べて出番こそ少ないものの、このランクへめり込む日下部みさおはある意味で頭一つ抜けているといっても過言ではないかも知れない。

柊かがみ

言わずと知れたかがみん。とりあえずぜひ個別記事にて詳細を見てもらえると助かる。

このゲームで個別ルートの攻略可能になるのが一番遅い。それはそこへ至るまでがツンの期間であることを意味しており、個別ルートに入った時にはもうデレが始まっているということだ。メインキャラであるため出番も多くいつ攻略できるんだよともどかしさをすごく覚えさせられる。そういったシステム的な寵愛も受け、燃料は申し分ない。無論、火力も止めどない。
まあ流石にかがみんはツンデレであってそれ以上でも以下でもないでしょとたかを括っていたらそのツンデレの高みに脳をシェイクされ甘く見ていたことを思い知った。
何よりもかがみんに、ツンデレに俺くんを攻略させようと孤軍奮闘させる展開にはなるほどこうくるかという感銘を受けた。ツンデレに攻めさせるという滑り台送りスレスレの展開からきっちり勝ち切るのは盛り上がりもあり意外性もありとで良かった。

日下部みさお

お前こんなキャラだったっけ部門堂々第一位。でも多分根っこの部分はズレてない。逆に俺くんにだけこうだと助かる、逆にね。逆に。

具体的にどうズレているかというとものすごい王道のツンデレストーリーをしている。すごいキレてくるし普通に手も出してくる。

多分アニメなり原作からくると本当に誰だお前ってなる。でもそのキレてきたり俺くんにだけ突っかかってきたりというのには根底に友人想いだからという精神があり、少しばかりその属性が過剰になっているだけで根本的なところでのズレはなかったかのようにも捉えられる。
もっとなんか舌っ足らずでゆるゆるな感じかと思いきやストーリー中においてアニメなどで見たような感じで俺くんと接することはない。本当に元々みさおが好きでこのゲームを楽しみにしていた人からすると原作再現的な要素が薄くてがっかりするかも知れない。

ギャルゲーとしての火力とヒロイックさと引き換えに手にしたかわいさが元来持っていたかわいさとは別ベクトルのものであった。そこに対してどのような感情を抱くかどうかがみさおルートに対するその人の評価に直結するであろう。
まあそもそもがアニメ登場時間も合計で15分足らずのキャラなので差異が生じているだなんだというのも誤差なのかも知れない。真なる有識者の目から見てみさおルートは現実なのか非現実なのか気になるところではある。

私は無論肯定派だ。故にここにいる。直情的で素直にでっけえ感情をこちらへぶつけてくる様はにわかながらにみさおらしさを感じられた。あとこのゲームの個別ルートにおいて唯一告白シーンで俺くんからでなく向こうから告白してくる。

このように一方的に抑えきれない好意を爆発させて去ろうする台風のようなムーヴからは非常にらしさを感じた。こいうのが必要なわけ。

かがみんがわりとデレ多め覇道のツンデレであったのに対しみさおは終盤までデレることがない王道のツンデレである。そういったところで色々とこのゲームにおいて唯一無二の属性と力を引っさげてきている。
それらが非常に高評価である。そしてなによりも告白シーンが最高。これに尽きる。
冒頭にも書いた通り、みさおルートにおけるキャラのブレは俺くんに対してはこうであった、という解釈に尽きる。それが因縁であれ言いがかりであれ最初からみさおにとって俺くんは他の人間とは態度を変えるような特別な人間だった。オンリーワンということはそれが運命の人だったということだ。
こういった運命や必然性をも駆使した力であることがストーリー的にも良い塩梅を出しておりそこが素晴らしいと私は感じた次第である。

高良みゆき

兎にも角にもセクハラが多い。とかく肉体の触れ合う展開が圧倒的に他より頭5つくらい抜けてる。圧巻のプロモーションを利用した他の追随を許さない色仕掛けに堕ちない男は存在しない。
他のキャラがラッキースケベくらいで済ませているところ明らかにみゆきさんだけ距離感がおかしい。膝枕など序の口で寝落ちするみゆきさんに俺くんは人間クッションとなりその柔らかさを味わうし、みゆきさんが自分の意思で俺くんにマッサージしてがっつり胸当てるしそれ指摘されて照れたりでもまんざらでもなさそうにしたりと付き合う前から距離感がバグっている。
告白だってもうお互いに好き同士だと理解しているからものすごい余裕を見せてくるしでその辺のギャップが凄まじい。恐らくアニメか原作を見てからやるとギャップが壮絶すぎるキャラとしてトップ3には入る。
何よりもそれらの解釈違いスレスレの表現が全てプラスに作用してまあかわいいから良し。となるのが力の全貌。なんでみゆきさんだけこんなセクハラ多いん? ってなる良い意味で本当に異質なストーリー。
あとアニメと比べて腹黒キャラ的な着色が少々施されている。毒があるからこそ他のキャラならばえらい目に合いそうなセクハラも俺くんだけは許される。そういうのが嬉しいんじゃあないか。

Sランク 曇らせ、ギャップ、力、この世の全てを手にした女たち

ここへ至るは純全たる俺の性癖。どうせハッピーエンドになるのであればその過程はどれだけ地獄であっても問題ないというのが信条のオタクであるので幸せを手にするための曇らせはマスト。そういった観点としてあまりに満たすものが多すぎた。
性癖視点なしで見ても非常に良質なストーリーであるとも感じる。基本にして絶対的に隙がない。そもそものボリュームが少ないのは仕方がないのだがその中でもこいつにはこういうのないと嘘でしょってところがちゃんと抑えられているしそれでいて甘さと火力も申し分ない。
曇らせは万人受けする属性ではないためこの2人は読み手によって評価が別れるところかも知れない。だからこそ伝えたい。これはその道の性癖者からしたら化け物だと。
そうして私は感じる、他の全てのストーリーにその道の性癖が詰まっていることを。性癖と性癖が手を繋いだ輪こそが世界となる。この宇宙は往々にしてそういう風に回っている。

柊つかさ

999999999万回は同じこと言っているけどあのおっとりふわふわなつかさがわりと全編通してもっくもくに曇りまくるのが凄まじい。作中通してずっと両想いなのにつかさは最後の告白までずっと片想いしている。そこに宇宙の神秘というものが存在している。
メインキャラの中だと出番は少ない方なのだが個別ルートでの火力一発で捲れるだけのパワーを持っている。
だが例えばあるいは本編同様のつかさとふわふわほわほわ歩くような速度でのラブコメを望んでいた側からすればあまり納得の行くような話ではないような気もする。ここに関しては俺が勝っていたと言わざるを得ない。

岩崎みなみ

ゆたかルートでキレて泣いた女を攻略ルートで嬉し泣きさせるとかいう平成という時代が成せるパワープレイが強すぎる。百合の間に割り込むという展開上どうしても人によって拒絶反応が起こりやすいルートではあるがそれ故の力を持っている。
確実に批判を買う過激な意見であることは重々承知の上で性癖に素直に言うが、この手の百合要素などとりあえずギャルゲーにおいてはその片方の存在を上回ったと理解した瞬間のカタルシスを得る為のエッセンスに過ぎない。
そのためみなみルートはああこういうのが欲しかったわけよと、そういう勝利に酔いしれるのに充分すぎる力を持っていた。このルートはゆたかを攻略しないと開放されない為そのカタルシスはひとしおだ。

再三言うまでもないが原作・アニメにおいてゆたかとみなみの組み合わせが好きな人からしたら悪鬼羅刹の所業と言わんばかりの展開が無限に待っている為、これもまたつかさと同じで本当にそのキャラの本質を愛している人からすると否定寄りの意見が勝ちそうなところではある。
私はそういった人たちを否定しない。そして彼等の否定を受け入れようと思う。受け入れるが肯定はしない。それが勝者の業だからだ。勝ったものが正義だという言葉はこのゲームのこのルートの為に存在する。

賛否両論だからこそ自分の好きを炙り出せる

統括すると本当に素晴らしかった。これは素晴らしいゲームだと、これだけが本当に伝えたいことだ。
何度でも言うがようやってくれたと。本当にその想いばかりである。このゲームにおける批判でよく恋愛要素が薄いといった感想を見る。
それは実際にその通りであり、その通りではない。恋愛ゲームとして見ると実際に薄い。だがキャラゲーとして見れば限界スレスレまで行っている。

事は捉えようではある。これで満足だと自分を納得させることは容易い。だがそれは諦めに過ぎない。よくやってくれたよと、付き合うまでとはいえちゃんと恋愛してたから満足だよと。そこで満足させることは大切である。そういう小さな幸せを噛み締められるものこそ真の幸せを手にする。
だがだからといって付き合ってからが見たかったという欲望を否定することは自身を殺すことに他ならない。不満を否定することがひいてはいつの日か与えられたものだけで満足する矮小な自分を生むことになる。それを幸せと呼ぶものもいるしそれこそが幸せであるというのは否定できない。
このゲームは本当にその両面を持っているのだ。どちらの意見も生まれるちょうど境目のようなところに存在している。それ故に賛否両論のような意見が目立つのだと思う。加えて好意的な意見はある種諦めや妥協に近しい思想にも見えるのでどうしても弱く見えがちだ。

だからこそ私は、このゲームと向き合い全てを見届けた身としてはっきりと伝えたい。素晴らしいゲームだと。
このゲームには足りないものが確かにある。だがそれ以上に公式が与えてくれた一面という、公式がこれやるのはすごいしありがたい。という気持ちが常に勝っていた。
荒れなさそうな当たりざわりのない無味無臭なストーリーで60点を取りに来なかった攻めの姿勢は時代が時代とはいえ非常に好感が持てる。
ちゃんとらきすたのゲームとしてやれる範疇の中で、コンテンツの許すギリギリまで行っていた。私はそういう風に強く感じた。
ギリギリまで行っていたということそのものに対して称賛を贈ることは消費者側の一方的な自己満足に過ぎない。そうだと分かっていても私は賛美を伝えたい。もちろん不満もあるがその中でも攻めの姿勢は感じられた。

いつだって真の勝利は、幸福は自分の物差しだけでしか測ることができない。確かにこのゲームは存在そのものからして賛否両論だ。更に中身もまた賛否両論なストーリーが多い。
だからこそだ。賛否両論だからこそ、自分の性癖で確かめにいかなければ分からないことがある。これは賛否両論だからこそ成せることだ。世間じゃ評判悪いけど自分は好きだなという想い、あるいはその逆を得る。それらを繰り返し、経験を煮詰めることが自身の性癖と向き合う為に必要な時間だ。

そして、世間で評判が悪いけど自分は好き。というものを見つけられるよう、あるいは見つけられた場合それを絶対に軽んじないでほしい。そこから見出した煌めきはあなただけの輝ける性癖だからだ。それはあなたを象徴するものでありアイデンティティとなり、人生に彩りを与える。

そのきっかけと成りうる無数の賛否両論が織りなすこのゲーム【らき☆すた〜陵桜学園 桜藤祭〜】と向き合うことが人生に与えるプラスは言うまでもあるまい。
断言しよう、このゲームを全ルートやれば必ず1人は「これ好きだな」と思えるキャラが、ストーリーがある。それほどまでに属性が多様だ。
令和の世だからこそ、平成のキャラゲーでギャルゲーというスレスレの存在に触れることにこそ意味がある。宇宙はそこにある。最後に笑っちゃうのはあたしでありお前だ。お前だけの宇宙の始まりがここだ。

だから

───もっていけ。

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