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更年期とエクオールーエクオールの効果

エクオールのついてお伝えしてきました。

更年期とエクオールー1)エクオールとは

更年期とエクオールー2)エクオール検査

さて看護職としては、しっかり裏付けされているエクオール効果の説明ができることが必要です。

今までにわかっているエクオールで効果が見込まれる更年期症状について、そのデータと共に載せます。


まずは、ウィキペディア 「人への影響」より

厚生労働省研究班による大規模なコホート研究では、食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳がん[20][21]脳梗塞心筋梗塞[22][23]、男性の一部の前立腺癌[24][25] のリスクが低下するという相関関係が見られた。大豆イソフラボンのエストロゲン様作用が、イソフラボンが代謝されて産生されたエクオールによるものではないかとの仮説が立てられている[26]。疫学研究においてヒトにおけるエクオール産生能の有無と前立腺がん乳がん更年期障害の予防や改善効果との関連が報告されている[27]。また、エクオール生産者と非生産者の実験において、エクオールは閉経に伴う毛髪密度の低下抑制、軟毛化抑制、白髪化抑制などに関与しているとも報告されている[28]。 大豆の腸内細菌の代謝物であるエクオールに認知症リスクを低下させる可能性が報告されている[29]

KONENKI.Lab  「エクオールの効果」より

更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の低下と共に様々な不調があらわれます。
マイルドなエストロゲン様作用のあるエクオールの摂取により各不調への効果が確認されました。


エクオール10mgで改善される8つの症状ホットフラッシュ
首・肩こり
肌のシワ(目尻)
全身の骨密度
脂質代謝(悪玉コレステロール)
糖代謝(HbA1c)
血管機能
手指の機能や痛み

   *項目をクリックすると文章を読むことができます

ヘルスケアシステムズ 「エクオールと健康についての研究報告」より

エクオールと骨

女性ホルモンは、骨からカルシウムが溶け出すのを押さえる効果があり、更年期を過ぎて女性ホルモン分泌量が低下すると、年間約2%ほど骨量が減っていきます。そのため、高齢女性は骨粗しょう症や骨折に気を付ける必要があると言われているのです。

大豆に含まれるイソフラボンには、エストロゲン様作用によって、骨からカルシウムが溶け出すことを押さえるはたらきが知られています。

更年期以降の女性に2年間、毎日豆乳500ml(イソフラボン量で約100㎎)を飲んでもらったところ、イソフラボンを摂らないグループは骨密度が約4%低下したのに対し、イソフラボンを摂ったグループは低下しませんでした。

ただし、その改善率には個人差があり、エクオールをつくれる人の方が、より改善が得られたことが報告されています。【1】

エクオールと更年期症状

大豆イソフラボンやエクオールは、腸から吸収されて体内で作用した後、1~2日程度で尿から排泄されます(つまり、大豆は毎日食べることが大切です)。 更年期の女性を対象として、尿中のイソフラボン類の排泄量と更年期症状について調べたところ、大豆そのものに含まれているイソフラボン(ダイゼインやゲニステイン)の尿中排泄量と更年期症状の重い・軽いには差が見られませんでした。一方、尿中のエクオール量だけは、更年期症状の重い人の方が少ないという結果となりました。これは、エクオールをつくれる人は、更年期症状が軽い人が多かったということを示しています。【2】
この研究のほかにも、エクオールが更年期のホットフラッシュ(ほてり)や首や肩のこりを和らげるという研究結果が報告されています。【3】

ソイチェックの研究データでも、40~50代の方で「更年期症状がない」方のエクオール産生率は43%でした。一方、何らかの更年期症状があるとお答えいただいた方の産生率は、30~39%でした。特に、頭痛(30%)や腰や手足の冷え(31%)、不眠(31%)、顔のほてり(32%)、のぼせ(32%)などの症状を感じていらっしゃる方は、エクオールがつくれない人が多いようです。


エクオールと肌機能

エクオールは、お肌の老化とも関係があるのでしょうか? エクオールをつくれない閉経後5年未満の女性に集まってもらい、大豆を発酵させて作ったエクオールサプリメントを12週間毎日食べてもらったときに肌機能がどう変わったかという研究です。12週間のエクオール摂取によって、目じりのシワ(面積率と一番深いシワの深さ)を測定したところ、目じりのシワの進行を押さえるという結果が報告されています。【4】


エクオールと手指の痛み

50代以降の女性に多い手指の痛みやしびれ、関節の変形や痛みといった症状は、長い間手指の使い過ぎや加齢が原因だと考えられてきました。しかし、近年の研究でエストロゲンの減少が深く関わっている可能性があることがわかりました。

エストロゲンには腱や関節を保護する働きがあります。そのため、手の痛みやしびれを伴う「手根管(しゅこんかん)症候群」や「腱鞘(けんしょう)炎」はエストロゲンが低下する産後や更年期に起こりやすくなります。

しかし、この症状はすべての女性の手指に出るわけではありません。そこで、エストロゲン様作用があるエクオール産生との関係性に注目が集まっています。

関節の腫れ・痛み・変形を訴えている30代から60代の女性を対象にした研究で、エクオールサプリメントを3カ月間毎日(1日あたり10mg)摂取したところ、変形のない人や軽い変形が見られる人で痛みの緩和が見られたそうです。また、更年期初期からのエクオールサプリメントの摂取は関節変形の予防にも効果的と報告されています。【5】

エクオールとPMS

PMS(Premenstrual Syndrome)は「月経前症候群」とも言われ、月経前=月経前の3~10日の間に続く精神的、身体的な症状で、月経が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりする状態のことを言います。卵巣が出すホルモン”エストロゲン”と”プロゲステロン”の2つのホルモンの変動が関わっていると考えられていますが、今なおその原因ははっきりとはわかっていません。

エクオールは、エストロゲンが不足していると「エストロゲン受容体」にはまり込み、エストロゲンに似た働きをします。一方、エストロゲンが過剰にあるときも、エストロゲン受容体の一部にエクオールがはまり込み、エストロゲンの作用を弱めてくれる働きも確認されています。

これまでは、エクオールはエストロゲンが不足する閉経前後の様々な症状への働きに期待が寄せられていましたが、近年PMSとの関係を調査する研究も進んでいます。

20歳から45歳の日本人女性を対象に、PMSの人とそうでない人のエクオール産生を調べたところ、PMSの人はエクオールがつくれていない人が多いことがわかりました。その研究の中では、PMSとエクオールには相関性があることが報告されています。【6】

エクオールと毛髪

薄毛、白髪など更年期以降に髪の毛に悩む女性も多くいらっしゃいます。女性ホルモン(エストロゲン)は、髪の毛の成長・維持するのにかかせない働きがあります。しかし閉経を迎える頃から、髪の成長が遅くなり、やがて頭全体の髪の毛が薄くなっていきます。

これは加齢のせいと言われてきました。しかし、エストロゲンが減少する産後にも同じような悩みが発生することから、加齢による薄毛や白髪に対してもエクオールの働きが期待されています。

最近の研究で、45歳から64歳の閉経後の女性200人を対象に、エクオール産生能と毛髪の状態、自覚症状について調査したところ、エクオールがつくれていない人は閉経から時間が経つにつれ、毛髪の量が減少していくことがわかりました。一方、エクオールがつくれている人は毛髪の量が変わらないそうです。また、同じ研究で、エクオールがつくれている人は白髪の密度と割合が低いことが報告されています。【7】

エクオールと認知症

女性は男性に比べ、生涯に認知症を発症するリスクが50%高いという報告があります。エストロゲンは女性ホルモンという別名の通り、月経・妊娠・出産に深くかかわるホルモンですが、ほかにも大切な役割を担っています。血管や心臓、骨を強化し、脳内の神経伝達物質を増やして脳を活性化するという働きもあるのですが、これらはあまり知られていません。

これまでの研究でも、大豆イソフラボンが認知症予防に良いことが知られていました。しかし、多くの研究で相反する結果が報告されており研究者を悩ませてきました。

近年、その原因として、大豆イソフラボンの代謝物であるエクオールの産生に個人差があることが注目され、エクオールと認知症との関係性も改めて調査されています。

152人の日本人男女を対象に、認知機能について調査したところ、認知機能を測るテスト(TDAS)において、エクオールをつくれている人は、エクオールをつくれていない人に比べて高い成績だったことがわかりました。また、認知症の前段階といわれる軽度認知障害かどうかのテスト(MCIスクリーニング検査)においても、エクオールがつくれている人の方が少ないことが報告されています。

【8】

生活習慣とエクオール産生能

毎日の食事や生活習慣とエクオール産生能の関係について、いくつかの研究が報告されていますが、まだはっきりしたことはわかっていません。 日本人を対象とした研究では、緑茶をよく飲む人は、作れる人が多い。【9】
タバコを吸う人は、作れない人が多い。【10】


欧米では、ベジタリアンは、作れる人が多い。【11】
魚油(ω-3系脂質)を多く食べている人は、作れる人が多い。【12】


という報告があります。


大豆由来の新規成分 エクオールの最新知見  内山成人 著


SE5-OH を用いた臨床試験では,エクオール 10 mg/日摂 取により更年期症状72),閉経後女性の骨代謝73),メタボリッ クシンドローム74)および肌の老化75)に対する効果を認めて いる(図 4).いずれの試験も無作為化比較試験(RCTs) であり,二重盲検のプラセボを対照としたものである.特 に更年期症状においては,日本で 3 つの RCT72)76)77)を実施 し,さらに米国人女性78)でもその効果を確認している.


「大豆イソフラボン代謝産物エクオールの役割」日本女性学学会雑誌第20巻第2号 麻生武志 内山成人著


以上、エクオールの効果を示すデータを載せました。

今後もいろいろ研究されて、わかってくることがあるかと思います。

わかれば、引き続きここに記していきます。


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この記事は私が書きました。


佐藤みはるのプロフィール


助産院ハイジア  公式サイト

更年期に関する資格認定講座 ウィメンズヘルスアドバイザー

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