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電子書籍から紙の本に回帰した話

私は読書が好きです。

学生のころは1冊/週ペースで本を読んでいました。
(働きだしてからは1冊/月ほどですが…)

そんな私ですが、もともとミニマリスト気質なところがあり、
2年ほど前に思い切って電子書籍リーダを購入

「これでスペースを取られずに読書を楽しめる!」

そう思っていたのですが…

最近はまた紙の本に戻っています。

今回は、2年ほど電子書籍を使うなかで
私が思ったこと・感じたことを書いてみようと思います。


電子書籍にはカラダがない

紙の本と電子書籍。
中身=書いてあることは同じですよね。

だから別にどっちで読んでも変わらないだろうと思っていました。

でもそこにははっきりとした違いがありました。

それは
「電子本には愛着が持てない」
ということです。

同じ本でも電子書籍より紙で読むほうが、
その本に対して愛着がわく。親密さを感じられる。
そんな気がするんですよね。

自分でも不思議でした。
書いていることは同じはずなのに。

でも考えているうちに、
徐々にこの謎の正体がわかってきました。

「電子書籍にはカラダがない」からなんじゃないかと。

どういうこと?って思いますよね。

でも自分が電子書籍をやめた理由はこれがすべてでした。

この感覚を説明するためには、
本 ⇒ 人
に置き換えて考えてみるとわかりやすいんじゃないかと思います。

好きな人にはリアルで会いたい

近年、リモートでコミュニケーションをとることが増えました。

仕事や学校、そしてプライベートでも
ビデオ通話やチャットをつかうことが多くなりましたよね。

そして中には
・ビデオ通話したことはあるけど直接会ったことはない
・電話やチャットをしたことはあるけど顔は知らない
そんな相手もいるんじゃないかと思います。

でもたとえば、
リモートワーク(リモート授業)で知り合った相手と
「仲良くなりたいな」
と思ったとき、
「直接会ってしゃべりたい」という感情がわくのではないでしょうか?

ただ「仕事をする」「勉強する」だけなら、
リモートで済んでしまうこともあるでしょう。

ただそこを越えて、人と人として「仲良くなりたい」と思ったとき、
直接会っておしゃべりしたいと思いますよね。

このように、リモートのコミュニケーションは
仕事・勉強のように事務的な目的を果たすことはできても
そこに親密さをもたらしてはくれません。

事務的な目的をこえて
「人として仲良くなりたい」というときには
やはり直接会うしかないのだと思います。

直接会うというのは、言い換えると
目の前にカラダ(実体)があって
直接触れることができる。
そんな距離感のことだと思います。

そして、
これは本についても同じことがいえるのではないでしょうか?

本と"直接会う"

紙の本にはカラダ(実体)があります。

目の前に紙の束があって、
手に取ってパラパラとめくることができる。
指で紙にふれて、その柔らかさを感じることができる。
顔を近づけると紙のにおいがする。

こんなふうに紙の本は"直接感じる"ことができますよね。

そしてこの感覚こそが、
電子書籍には欠けているものです。

電子本は実体がどこにあるのかよくわかりません。

指で直接ふれることができない。
電子書籍リーダをつかって読むので、
どの本を読んでいても同じ大きさ。同じ硬さ。
そしてにおいもしない。

私が電子書籍にいまいち親密さを感じられなかったのは
これが原因です。

そして逆に考えれば
この「本との直接的なふれあい」こそが
読書の本質なのかな、と思いました。

電子書籍の使いどころ

だからといって
電子書籍のすべてを否定するわけではありません。

スペースを取らないし、
価格も安いことが多いですし、
電子本にもメリットはたくさんあります。

あくまで「親密さを感じられない」というだけなので、
逆にいえば親密さを必要としないような場面では
その強みを活かすことができます。

結論をいうと

・その本から単に情報を取得したいとき
・その本と精神的なつながりを求めないとき
・いいかえれば、その本と"ビジネスライクな関係"で十分なとき
・ビジネス本、資格の本、新書、専門書など…

こんな場合には電子書籍でも十分だと思います。

反対に紙の本で読むべきシーンには以下のようなものがあります。

・その本と心のつながりを求めるとき
・その本を愛読書にしたいとき
・好きな(尊敬する)作者の本を読むとき
・小説、詩、エッセイなど…

こんなときは紙の本で読んだほうが
その本に対して親密さ・精神的なつながりを
感じられるんじゃないかと思います。

紙の本と電子本、
それぞれの強みを活かしながら
使い分けていけるといいのかもしれません。

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