獣医が飼い主の気持ちに寄り添うには同じ動物を飼うことも大事

動物病院で働いている獣医師はいろんな動物を診察します。
病院によっては、猫専門とか鳥専門とかもあるので、ここでは一般的な病院のお話を。

結論としては、自分が飼育経験のある動物の診療の方が、飼い主の気持ちを理解しやすいです。
飼育経験のない動物の場合、どうしても扱いや診察に自身がなくなることがあります。上手にポーカーフェイスをすればいいのかもしれませんが。

わたし自身、大学を卒業して就職した時に、飼育経験があった動物は、犬とインコだけでした。ちょっと苦手だなぁ、恐いなぁと思っていたのが猫!

猫って動物病院だと急に豹変する子がいます。そして、たいていの猫は病院嫌いなので、威嚇してくる猫、攻撃してくる猫がいます。正直、苦手でした。
病院では、供血用(輸血の時に血を頂く)の猫もいたので、その子たちは恐くもないし、かわいかったんですけどね。

で、やっぱり実際に飼ったことがないと、ささいな質問に答えづらいこともありました。例えばトイレの粗相のこととか、水を飲んでくれない時どうしたらいいとか。自分自身が困った経験があり、解決したことのあるわけではないので、本で読んだこと、先輩の獣医師が診察で言っていたことを伝えるわけです。まぁ、経験のない多くの獣医師さんはそんな感じですよね。

そして、獣医として働き出して何年目くらいだったかなぁ?あるご縁があり、猫を飼い始めました。今まで飼ったことのない動物。病院では接したことはあるけど、実際自分が飼うと違いますね。

生活しているといろいろと困ることも出てくるし、学ぶことも多いです。

大きく変わったこととしては、猫の診察が苦手ではなくなったこと。もちろん、めちゃくちゃ攻撃してくる恐い猫もいますが、よほどの猫じゃない限り対処できるようになりましたね。まぁその頃は診療経験も増えていたので猫の行動パターンがなんとなく読めるようになったというのもありますが。

さらにもう一つの変化としては、猫の診察が増えたことです。
猫の飼い主さんに気に入られることが多くなり、指名されることが多くなりました(基本的に指名制の病院)。ある飼い主さんは、わたしのことを猫の気持ちが分かる先生と言い、口コミで近所の人にも紹介してくれました。

猫の気持ちが分かると、いつ思ったのかは分からないですが、診察中の会話なり行動で何か感じたんでしょうね。それとも、わたしが猫を飼っているということで共感や安心感を覚えたのでしょうか。いずれにせよ、嬉しかった思い出の1つです。

これを言われた時に、やっぱり飼育経験を持つことも大事だなぁと感じました。
飼育のミスが命の危険につながることもあるので、しっかりと飼育の指導も必要です。そのためにも、自分で飼ってみるということも大事ですね。

獣医師の仕事を始めたばかりの人は、飼育経験を積むことも一つの勉強。
経験のために、なにかしら動物を飼ってみてはいかがでしょうか。

また、これを読んだ飼い主さんたちへ
自分が飼っている動物を飼育したことのある先生を選ぶのも1つの基準にしてみてはいかがでしょうか。

では、今回も読んで下さり、ありがとうございました。

ブログ『睦月とら子のひとりごと』ではペットに関する記事もいくつか書いています。ぜひ参考にしてみてくださいね。いくつかおすすめの記事を置いておきます。


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