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26:「長文が苦手」な読者向けカスタマイズ

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最近は「そもそも長文が苦手」な人が増えているようです。
 
読書離れ活字離れの影響もあるのかも知れません。
 
「文章のボリュームが多いというだけで読まれない可能性がある」ということは、かなり由々しき事態です。
 
そこで、考えました。
 
「文章量も読者の好きにカスタマイズしてもらえば良いのでは?」と。
 
小説というものは、描写を詳細にすればするほど文章量が増えます。
 
描写を省けば文章量は減りますが、その分「あっさり過ぎて物足りない」「小説というよりも“シナリオ”や“あらすじ”」という感じになってしまう可能性があります。
 
しかし、詳細な描写で文章量が多いものを好むのか、あっさり描写で文章量が少ないものを好むのかは人それぞれだと思います。
 
ならば、そこを読者自身に選んでもらえば良いのでは、と、そう思ったのです。
 
……というわけで、異世界召喚ファンタジー小説「ブラックホール・プリンセス」では文章量の増減がカスタマイズできます。

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……と言っても、ストーリー自体が変化してしまってはマズいので、あくまで増減するのは「描写」や「小ネタ」の部分のみです。
 
カスタマイズは、まず「文章量の多いバージョン」を作り、その後そこから描写を削って「文章量が少ないバージョン」を作る、という風に作っています。
 
ここで難しいのが「描写や小ネタを削っても『面白く』読めるように」することです。
 
「必要最低限」な文章量で……しかし、面白さは失わせずに……。
 
普段から文章を書く方なら分かっていただけるかも知れませんが「長い文章を削って短くする」というのは、結構難しく、技術の要る作業なのです。
 
それも、ただ単に削れば良いということではなく、面白さは失わせないようにしなければ意味がありません。
 
しかも「せっかく書いた文章を削る」というのは、作者の精神衛生的にも、あまりよろしいものではありません。
 
しかしながら、そうやって「長い文章を削って短くする」作業は、数あるカスタマイズ・パターンの中でも、たぶん一番文章力UPに繋がりました。
 
芸術方面において「引き算」するということは、たぶん「足し算」するよりずっと難しいことなのだと思います。
 
けれど、余計なモノを引き算してスッキリさせることで出てくる「美」や「おもしろさ」というものもあると思います。
 
自分がその「域」に到達したとは思っていませんが、そこへと向かう「足がかり」くらいは掴めたような気がしています。

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