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短い物語

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自分の書いた短めの物語をまとめて置いておきます
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#掌編小説

愛の伝道師になってしまったクラスメイト

 私が言うのもなんだけど、うちのクラスは変人ぞろい。  元々変人が多く集まるとされる、県…

睦月
2年前
8

厄介な手合い

 その男性は、知り合いの知り合いだった。四つ上の大学生で、眉間には深いしわが刻まれていた…

睦月
3年前
1

不登校と「いい人」

『ねぇ○○、相談事あるんだけど後で話せる?』  休日の朝、携帯を付けたらある友人から連絡…

睦月
3年前
1

ふたりの女

 ギィイイイン。通過列車の轟音が耳に痛く響いた。しばらく聞いてなかった音だからか、いつも…

睦月
3年前
1

ラブレター

 いつも君のことを考えているなんていうのは嘘だってわかっているんだけど、ただ頭の中にそう…

睦月
3年前
1

髪をかき上げるともだち

「それで、何が言いたいの?」  ざわっと風が吹きぬけて、親友の理沙は前髪をうっとおしそう…

睦月
3年前
3

低身長コンプレックス

 身長が低いということは、男としてそれだけで致命的なことだった。  大学に入っても、人が俺を見る目は大して変わらなかった。男なのに、普通の女と同じかちょっと低いくらいの身長。「何かの病気ですか」と冗談半分に聞かれたことも、まだ記憶に新しい。  単なる遺伝ですよと笑って流したけれど、あの時はさすがにぶん殴ってやりたくなった。  何もしなくても馬鹿にされる。下に見られる。笑われる。  普通の慎重なら、馬鹿にされたり下に見られたり笑われたりしたら怒ってもいいし、怒らないにしても、

知ったかぶり・衒学・知らないふり・嘘つきな私。

 つまらない間違いが、私の胸に突き刺さって抜けなくなった。 「私も、ヘーゲル読んだことあ…

睦月
3年前
4

「現実」と「思想」の対比

 色のない現実。私はどうすればいい。  学校を休んだ。昨日も休んだし、一昨日も休んだ。明…

睦月
3年前
3

内海ちゃん:高校時代の話

 大学の友人が自殺未遂をしたと聞いたとき、最初によみがえった記憶は高校時代の同級生、赤城…

睦月
3年前
2

失恋して、切なさそうに夕焼けを眺めて泣く女の内情

 高校二年の文化祭の時に告白されて以来、大学二年生になった今年の春までの二年半の間付き合…

睦月
3年前
7

五年前の日記

 ルールを破った人には罰が与えられる。法律とはそういうものであり、学校にもその学校なりの…

睦月
3年前
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