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書評 化け者心中 蝉谷めぐ実  鬼よりも人間の心の中に巣くう感情の方が恐ろしい。


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野生時代新人賞受賞作品

芝居小屋が舞台。
その役者の中に鬼がいる。
探してくださいと依頼されたのは
元役者で足をケガして引退した女形の魚之介
相棒の鳥屋と組んで鬼探しです

何で一人ずつなのかな
そこには背景があり読み応えもあったが・・・
鬼探しでしょ
これじゃ犯人捜しです
一人ずつというのが素人みたいな書き方だった。
重複的に絡めたり、色んな伏線を仕込めよと思いました。
1人調べた。終わり。次・・・って、おかしいでしょ。

で・・・
それぞれの役者の中には、嫉妬や殺意や何かが蠢いていて
鬼が一番まとも・・・

もっと、ストーリー展開を考えて欲しい
こんな面白い設定なのに
単純な犯人捜しって・・・
それに登場人物が多すぎて混乱するし
女形がたくさん出てきてわけわからん

このモチーフなら、実際に鬼をラストに出さなくてもよかった気がする。
鬼の出現で、これはミステリーなのか?
時代物でありながら・・・
時代物としての造形というのか仕掛けが・・・・変
うーん、うーん、うーーん
純文学っぽいモチーフだし・・・
鬼出すならアクションシーンを・・・、それもなくて
めるってハーフの存在が・・・
現代人っぽ過ぎる、違和感ありまくり。

苛々する。

役者はみんな鬼なんや

そのモチーフには共感できる。
魚之介のように、女の役に没頭するあまり
生理痛に近い症状が出たり
自分の性別がわからぬくらい役者バカになって
他の人も自分が自分がってなって
その様が鬼みたいなんだけど
最後の鬼がまともすぎて、それが犯人
ならぬ鬼だとわかった理由というのも?である。

おもしろく読めたが、何か足りない。
時代劇なのに、それっぽくなかったのが最大の原因かもしれない。
リアリティは必要です。
めるはいらない。

2020 12/24







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