感想 風間教場 長岡弘樹 生徒を辞めさせないという今までとは真逆な方針は悪戦苦闘の日々だった。
今までの教場と風間の印象というか作品の印象が、かなり違う。
しかし、駄作ではなく、これはこれで面白かった。
まず、生徒を一人も辞めさせないと校長に約束される。
前回までは、短編で1つ1つがミステリー小説で、最後は生徒が辞めるパターンが多かったが、今回は休学はあるものの退学はいない。
生徒をバッサバッサと切るイメージが強かったが、今回は必死に相手の良いところを見て可能性を伸ばそうとするのです。
助教の優羽子の存在も大きい。
この人は、教場0の最後の教え子で、風間の目が片目になった事件の相棒。
時に反抗的で、時に強い愛情を見せてくる。
そして、校長。
嫌味で口うるさいおっさんに見えたが、実は、風間のことをすごく期待していて
何かを伝えようとしていたのがわかる。
今回は、学校を辞めたいと思っている生徒が二人いて
一人は妊娠してしまう。
この騒動を収めるのがメインシナリオ。
その生徒には、可能性があると見た風間は色々な方法で引き留めようとする。
大きな事件はないが、生徒たちを必死に成長させようとしている風間の姿がいい。
生徒たちの印象が少ないのと、ミステリーとしての楽しみが半減しているので
ミステリー好きには少し物足りないかもしれません。
2022 714
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