書評 騙し絵の牙 塩田武士 出版不況化での雑誌存続をかけた戦い。タイトル通りのどんでん返しあり。
出版不況下の出版社を描いた話しでした。
雑誌の編集長が、雑誌の存続を願って紛争する物語
会社内の派閥争い、リストラ、廃刊の嵐・・・・
主人公の編集長速水はノリが軽く口が上手い調整型の人
まるで、大泉洋です。
たぶん、そうなんでしょう。
本の表紙が大泉洋です。
騙し絵の牙
というタイトルに注目したい。
そういうことです。どんでん返しがあります。
皆さんもすっかり騙されてください。
上層部は、利益のことしか頭にありません。
必死に主人公は文芸を守ろうとする。
そんな彼に上司はこんなことを言う。
人々が雑誌を必要としているのか?。単行本の小説を必要としているのか?。過去を振り返っても、時代の流れに合わんもんは淘汰されてきたわな?。このネットの時代に伝書鳩を育てても仕方ないやろ
編集長の速水全否定されます。
速水も負けてはいません。
言い返す。
雑誌は生き物です。一度殺すと生き返りません。
ここが痺れるポイント。
だから、彼は必至に戦っているのだ。
これは絶対に負けられない戦いなのだ。
その戦いの一つ
有名作家の機嫌を部下がそこねてしまう
そこで彼が取り出したのは
バリカンだった。
こので頭をここで丸めると言い出す。
これやられたら、許すしかないよね。
部下の失敗の尻拭いしたんじゃないんです。
読者に良い小説読ませたいからやるんです。
それが速見編集長です。
大泉さんじゃん・・・
そう思いました。
面白かったです。
2021 3/28
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