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書評 有頂天家族 森見登美彦  京都在住の狸の一族の自由気ままな現代ライフ。やはり天敵は人か。

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京都の下賀茂在住の狸の一族の現在ライフ
化け狸だから、普通に人間に変化し生活している
これは天狗も同じ

そんな狸の天敵
それは人間
狸鍋を食する金曜倶楽部という美食倶楽部

狸の頭領であった父が、こいつらに鍋にされて食われている
そのトラウマで、次兄はカエルになったまま戻れない

その亡き父の遺言が良い

面白きことは良きことなり

これは名言です。

さて、狸はケンタッキーフライドチキンが大好き
店先に並んでいる三分の一が狸だよ、とのこと。

金閣と銀閣という夷川という敵の双子の兄弟がいる
四字熟語フェチだ。

樋口一葉 を四文字熟語と勘違いしている場面笑えます。


悩み事には二種類あるという

それは、どうでもよいことと、どうにもならぬこと
両者は、悩むだけ損をするということである。

これは森見さんらしい考え方だ。
ならば、狸たちのように

いっそのこと阿呆になろうじゃないか

惚れた人間に化けるというのは妙な感じである。
瓜二つに化けられても楽しくない
その理由がおもしろい

それは・・・惚れた相手が自分の意のままに動くからだ。
相手が自分の思うどおりに動くことと、動かないことの間隙にこそ
惚れるということの味わいがある。

おもしろかった。
続編が楽しみだ。


2021 12 11



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