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感想 優等生は探偵に向かない ホリー・ジャクソン 探偵の捜査スタイルが斬新。今までになかったようなミステリー小説。

『自由研究には向かない殺人』の続編。

それにしても、あのレイプ犯が無罪になるとは・・・。

探偵役は、高校生のピップ。女子高校生だ。数人の友達が助手になり彼女を手伝う形式。
事件は、友達の兄の失踪。ナイフが消えていたり、金を失踪直前に盗もうとしていたり、何かヤバそう。

彼女の探偵術は他と少しだけ違っている。
ネットを使うんだ。
ポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集める。
これが捜査の基本。

関係者へのインタビューをする。
SNSを調べる。
捜査情報をフロアーと共有する。
それがポイント。

失踪者の動線を合同葬儀の会場で写っていた写真から割り出し
あるパーティに参加していたのを掴み
そこから、また、そこで撮られた写真を検証し
彼が話したと思われる女子高校生を見つける。

証拠がフォロワーさんから続々貰えるのがいい

その女子高生と、彼がSNSで仲良くしていた女性とが写真が同じ
しかし、別人物。
つまり、SNSの女は女子高校生の写真を使ったなりすましだった・・・

その女に騙されて、どうやら金を・・・

パーティ会場から消えた彼の動線を追う方法として
時計で歩数や心拍数を計測できるアレのデーターを使い
次に、どこで何があった。
失踪した場所を探り出すという方法は
斬新で新しい。

とにかく、この新しい操作方法に釘付けになった。
面白かった。

犯人や、その動機。
SNSでなりすましをしていた人物の動機は
この本の根幹になるところなので触れないが

最終的に、すべての伏線を回収しています。
最後に、とってつけたような展開になるのが残念だが
盛り上がるところはキチンと盛り上がり

いい形でフィニッシュしています。
続編がありそうな予感です。

裏モチーフとして、犯罪者家族の問題がある。
親が犯罪者で、知らずに子供の頃に犯罪に加担していたというケースですが
証人プログラムと同じ形で、身元がばれたら危険になるから政府に名前を変えられ場所を転々とする
そんな人を探し出して、わざわざ殺さなくてもいいでしょと思ってしまいました。
そういう人は死んでもずっと糾弾されなきゃにらないのかというのが語られている。
葬儀の時、無関係な人間が集団で現れて、犯罪者を供養するのかと抗議にくる。この街の墓に入れてほしくないと言うのだが、そこまでしなくてもと思ってしまう。

2022 8 13
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