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感想 #真相をお話しします  結城真一郎 このミステリー短編集は優秀だ。発想が新しい。

ミステリー短編集。
どの作品も優れていた。
読みがいのある短編集です。

「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞とのことですが、これはオチがわかった。
発想は面白いが、伏線をよく観察していたらわかってしまう。

三角好計は、発想はいいが、少し無理がある。
浮気をされたからと言って、友達まで巻き込んで共通の友達を殺す計画をたてるものなのかと思ってしまった。
トリックはなかなかです。

惨者面談は、優れたミステリーです。
探偵役は家庭教師会社の営業。
はじめての家。
母と子に違和感を感じ、息子の態度にSOSが・・・。
何となく母親の態度から、彼女が・・・というのはわかったが
更に、最後にもう一発のオチがある。
これは誰も想像できないと思う。
びっくりした。

パンドラは、精子提供者のところに、あなたの子供ですと中学生の女の子が訪ねてくる
過去と現在をシンクロさせながら語るのでリアルな感じがした。
その母親が当時犯罪者と付き合ってて、その娘は主人公が親か犯罪者が親かで悩んでいる。
キーワードは血液型。
しかし、そのパンドラの箱を開けたとたん
別の混沌が飛び出してくるという仕掛け

ヤリモクは、援交をしている男の話し
伏線をきちんと把握してないと、この衝撃的なオチがピンとこないかも
この主人公の正体もだが
ラストのオチは強烈。

5つの短編のうち、3つも楽しめる作品が存在し
いずれもレベルが高い。
ハズレの2作品も平均以上なので
ミステリーファンなら楽しめる短編集です。

もしかするとミステリーの新風になる作家さんかもしれません。



2022 7 26
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