2023年度4月の読書日記
読んだ本の数:12
読んだページ数:4128
今月は新作を多めに読みました。
その中から、いつものように五冊pickupします。
勉強本では、シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント が面白かった。
自己啓発本です。
過去のベストセラー小説 ホテルローヤル (集英社文庫)
この作品は直木賞もとっている短編集
映画化もされています。
発想が面白いということでは、ゴリラ裁判の日
人間並みの知能を持ったゴリラが裁判で戦うという設定です。
第64回メフィスト賞受賞作。
読ませるということでは、あなたはここにいなくとも
町田さんの短編集
エンタメとして粗削りながら楽しいと感じたのは、成瀬は天下を取りにいく
この面白さは癖になる。
以下、簡単な感想。
ゴリラ裁判の日の感想
第64回メフィスト賞受賞作。メフィスト賞受賞作品はレベルが高く面白いです。本書の主人公は雌ゴリラ。ただし、高校生レベルの知識があります。機械を使うと普通に意思疎通も可能である。だから、博士たちはアメリカに彼女を連れてきた。そこで事件が起こる。彼女の交尾相手の雄が殺害された。子供がゴリラゾーンの中に落ちてしまいということ。このゴリラ裁判が本書のメイン。人間の定義とは?。雄ゴリラは殺害されるべきだったのか。問いかけはたくさんありました。裁判シーンが面白かった。こういうテーマも珍しいんじゃないかな。
読了日:04月02日 著者:須藤 古都離
エリザベス女王の事件簿 バッキンガム宮殿の三匹の犬 (角川文庫)の感想
エリザベス女王が挑むミステリー 。シリーズ第二弾!。一冊目が面白かったので読みました。今回は、宮廷内のプールでハウスキーパーが殺害される事件と、女王の絵が盗まれる事件。これが繋がるところが面白かった。いつものように、秘書官補の女性が手足になり情報を集めて女王が推理し手柄は部下や警察にという感じでした。雰囲気が良くて、これは女王の描き方なのかもしれません。ただ、ミステリーとしては普通でした。設定勝負という感じですか。王宮の雰囲気はよく出てました。
読了日:04月04日 著者:S・J・ベネット
鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐の感想
下巻に感想
読了日:04月09日 著者:上橋 菜穂子
鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐の感想
もののけ姫に似ていると感じた。モチーフが疫病、環境破壊というのか、元いた人たちを追い出して移民が自分の文化とともに移住してきて、免疫がなくて疫病が伝染する。その姿は、少し前の僕たちのウイルスに対する怯えに似ていた。ホッサルの祖父の医学者の考え方も少しはわかる。医学の発展のためなら、ちょっとくらいの悪も良しとしてしまうのは、よくあることです。全体的にそこそこまとまってて楽しかった。上橋さんの小説ははずれがないのがいい。
読了日:04月09日 著者:上橋 菜穂子
シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカントの感想
この本はとても面白かった。少し思想的な感じもしたが、仏教とか、瞑想とか・・・、書いたのが金融界の大物というのも驚きました。金儲けは「する」ものではないー身につけるスキルだという考え方に共感しました。お金を複利で増やすという考え方はありますが、それを人生に応用させているみたいに感じました。彼はすごく読書家であり、彼の成功の一つの要因として読書をあげていることにも共感できた。思想書というのか名言集というのか、生きるためのヒントになりそうな言葉が満載でした。とても満足度の高い本だった。
読了日:04月11日 著者:エリック・ジョーゲンソン
成瀬は天下を取りにいくの感想
滋賀県愛が強いアオハル物語。個性の強い成瀬と、その周囲の人たちのエピソードを描いた爽快な作品。最初の西武百貨店の閉店の話しは、まさしく神回。めっちや面白かったです。それから、ミシガン。遊覧船でのデート。地元愛にあふれる魅力的な成瀬のキャラが良かったです。僕は、親友の島崎よりも成瀬と距離を取りつつも近づいてくる大貫のキャラも好きでした。正直、終わるのが悲しい。もっと、この世界にひたっていたいと感じました。この作品大好きです。
読了日:04月13日 著者:宮島 未奈
ホテルローヤル (集英社文庫)の感想
北海道の田舎町にあるラブホテルが舞台の短編集。時系列が現代の廃墟から、さかのぼっていきホテル誕生秘話で終わる。登場人物は不幸を背負っている普通の人々。その境遇に悲しくなってくる。中でも、シャッターチャンスと星を見ていたは秀作だと思った。ラブホテルの掃除のおばさんを主人公にした話しなんて見てことも聞いたこともない。この人、不幸なのに全力で頑張っている。息子たちは親不孝だけど、若い夫との暮らしはそれなりに幸せなのかなとおもってみたりします。作品すべてに趣きがあり良かったです。
読了日:04月16日 著者:桜木 紫乃
彼女はひとり闇の中の感想
色んな社会問題をぶちこみ過ぎてわけがわかんなくなってしまったという印象。犯人がすぐにわかったというか、これがミスリードで、最後に真犯人が出てきた時はびっくりしたが、これは少し卑怯な気がしないでもない。学生の貧困、シングルマザーの問題、イジメ、社会に適合しない人、ひきこもり。問題は色んな側面があるのだが、逆に多すぎるので混乱する。ミステリーとして読むなら、最初の犯人の推理や複線回収は素晴らしい。ここまでは楽しめたが、真犯人のところ。犯人の動機。こんなことで人を殺害するものなのかと疑問に思う。
読了日:04月19日 著者:天祢 涼
天国からの宅配便 あの人からの贈り物の感想
依頼人が死んだ後、遺品を届ける「天国宅配便」の第二弾。このあたたかい雰囲気が良いです。そして、オチがあるのです。最初の遺品のカメラの話しのオチは、そんなのありかいという感じでした。最後の七人の魔女のオチは、その優しさに読み手の心までポカポカになるいい話し。78年目の手紙には歴史の一場面が封じ込まれていて、とても驚きました。好きなのは、造園の話し。あのオチは大好きです。とにかく、この話しはオチがいいです。ミステリーを読む感覚で乗っかってみてください。そして、最後のオチの面白さで楽しんでください。いい作品です
読了日:04月21日 著者:柊 サナカ
あなたはここにいなくともの感想
いいお婆さんたちが出てくる短編集、町田さんはやはり読ませる作家さんだと思いました。どの話しもあったかく、最初のおつやの話しと、最後の大掃除の話しのお婆さんがとくにいい。個人的には、食器とかで演奏するお婆さんの話しが好きで、ものに対する執着と手放す勇気のようなものを具体的に感じました。栗の話し以外はすべて心に響く内容でした。あれはちょっと僕には合わないのかな。
読了日:04月23日 著者:町田 そのこ
親切人間論の感想
独特の世界観や切り口は面白かったです。しかし、読みにくい。よくわからない。独特の思考であるが故に楽しいがしんどい読みにくい感じの印象を受けました。参考になったのは、ガンダムを例にとって説明した文章の書き方です。あれだけでも読む価値があったと思う。わかりやすかったし使えそうだし腑に落ちた。次も本が出たら読みたいと感じる人でした。
読了日:04月25日 著者:水野 しず
ぼくはなにいろの感想
文章や感情表現に光るものがあり引き込まれた。事故で障碍者になった主人公が、自分を壊れた器とか怪物とか言って卑下するのに嫌悪感を感じた。なら生まれた時からの障碍者はどうなるのと思う。女性の方のトラウマも被害妄想のわくから抜けていないし、どちらかというと、この不登校の妹ちゃんと文房具店の男の交流や娘が家出し焦る父親の話しのほうが好きだった。清掃員の暴力的な仲間の屈折具合とか、とても良く表現されていたと思う。パッピーエンドでよかったが、どうしても主人公の情けないキャラが最後まで好きになれなかったし共感できない
読了日:04月30日 著者:黒田 小暑
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