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書評 デンデラ 佐藤 友哉  登場人物は全員70才超え、姥捨山に捨てられた、その後を描いた怪作。おもしろい!!。

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70才になると、お山に捨てられる・・・
姥捨て山伝説をモチーフにした作品です。

映画化されています。

主人公は、捨てられたばかりの老人 斎藤カユ70才
登場人物、すべて70才以上

見どころは、おばあちゃんたちと、凶暴な熊とのBATTLEです。

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当然、飢餓。食糧不足が深刻で、その上、疫病という生命の危機まである
かなりの人数の寝たきりの人。共同体の問題は山積みです。
最大の難関は山の主の熊です。

この物語は、この熊との消耗戦です。
このデンデラという村には、49人の構成メンバーがいて
akb47ならぬ、BBB49なのです。
斎藤カユの加入で50ですが・・・。

名前が年寄り臭くなくて
メイとか、ヒカリとかアイドルの名前ですか?と思ってしまうのです。

まるで高校生みたいな、派閥みたいなのがあるし
たぶん、スクールカースト的なのもあると思う

何しろ余命ですから、余生というのか
死ぬはずだったのだから、余命でいいですよね。

そこから生きるのだから、生きる目標みたいなものを持っている。
でないともやってられない。
最大派閥の襲撃派は、無謀にもムラを襲撃し復讐を果たそうと考えていたし
穏健派は、デンデラでの権力の頂点にたつことが目標であり
何でもかんでも反対する野党だ。

そして、中には死にたがっている人
極楽浄土にいきたいという人もいて
考えは人それぞれなのです。

基本線は、熊との闘争。
おばあちゃんたちが、熊と戦いまくる物語。
それが物語のメインであり、とてもワクワクする。

しかし、リーダーが戦死し、穏健派のリーダーが君臨するも彼女も死に
熊によって崩壊していくデンデラ
そのバラバラの危機にあっても、意見は合わない。
1日でも長く生きたいという村存続派
よその土地でやり直そうとする者
主人公の老女は、熊と戦い死ぬことを選ぶのだった。

熊との対決の中
彼女たちは、どのような目標に向かって生きようとするのか
ようするに、これは生きがいの物語なのだと思う。


2021 5 30



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