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感想 平家物語犬王の巻 古川日出男 本作の魅力は短いセンテンスと語り口調で疾走感があると解説の人は言っていた。でも、よくわからん。



先に映画を見て原作を読んだのだが、どちらも面白くなかった。
本書の魅力は躍動感だと思う。
文を短く切り、キレキレな感じにしている。

解説の池澤夏樹さんによると、本作の魅力は短いセンテンスと語り口調で疾走感があることらしい。
その通りだと思う。

平家物語の語り部という立ち位置の犬王なので
語り口調にしたのだ。

これは二人の男の友情の物語でもある。

能楽師犬王と琵琶法師友魚をめぐる、
語られてこなかった『平家物語』です。
室町時代、観阿弥・世阿弥に比肩する人気と実力があったと目される実在の能楽師犬王とありますので、実在の人。
異形ではないでしょうが・・・。

平家物語のパートについては本書は、たくさん語られていて映画よりも細かくていい。

正直に言うと映画の方が好きです。


犬王が父親のせいで人身御供にされて異形の形で生まれたというのが物語のポイントになる。

その彼が平家物語という核を時の権力者である足利義満に禁じられ、それを受け入れたことで最終的に今世まで名が残らなかったのは皮肉だ。

逆に友魚のほうは、義満に平家物語犬王の巻を禁じられるが拒絶し生命を奪われる。この対比が面白い。どちらかというと原作本よりも映画にこの傾向が重視されているのが面白い。





2023


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