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適応障害になった人のための記事

無双留年ボルバルザークと申します。
容姿と挙動と言動以外、怪しいものではございません。

この記事は、適応障害になった方の助けになればと考え、執筆しました。

悲しいニュースが「耳の中へ」(緒言)


 某日のニュースにて、私が応援している声優の方が、心の病を理由に活動を制限されるという旨の情報を耳にしました。

 めちゃくちゃ驚きましたよ。
 なんせ、別の星の住人くらい根っこから違うと思ってる存在の声優が、僕と同じ病にかかってるんですから、そりゃビビりました。

 実は自分も仕事に起因する適応障害と診断され、現在は休職しています。
その休養も兼ねて、友人に温泉地まで車で連れて行ってもらい、足湯に浸かっている時に、友人が発した「エ゛ッ!!」という驚く声と共に、その場で伝えられたのを鮮明に覚えています。 

 便乗のように解釈されそうなので、このタイミングで僕の事情について公表するかは悩みましたが、こういう過ごし方をすると良いかも的な事を言うなら、もうカミングアウトするしかないよなーと思い、身バレ覚悟で今回ご報告することとしました。

 私が休養を取っている間に起きた体験から、普段応援している声優さんが同じく休養を取る際に、参考になりそうな話ができればと考えております。

 ついでに、現在進行形で適応障害で苦しんでいる全ての方、これから適応障害で苦しむ全ての方、身の回りに適応障害の人がいて言葉の取捨選択に悩む彼ら彼女らの隣人に届けます。
 欲を言えば、本当に読んで欲しいその声優の方や、その方の周囲にいる方まで、今から書く文書が届いてくれたら嬉しいです。

 僕の場合は仕事に起因する適応障害なので、結婚とか子育てに起因するそれとは結構違う意見になるかもしれませんが…参考までに。

適応障害の休養中ってどんな感じ?

 クリニックで適応障害と診断されると、3~6ヶ月休養を命じられます。
 インフォームド・コンセントの原則があるため、「休みなさい」と命令口調では決して言われず、「休む?」と提案される形で言われますが、休まないと悪化するので基本的には休みたいと伝える方がいいです(2敗)。診断書が貰えます。5000円くらいします。

仕事が適応障害の原因なら絶対に休め


 職場から離れて、良くなってからやっと考えるくらいの方がいいです。
 第一、病んでる時に苦し紛れで考えたキャリアに一生を預けるのはあまりにも博打でしょう。せめて回復していく過程で見つけていった本当に大事なものを理由にしてほしいです。じゃないとまた病みます。

 「会社に迷惑をかけるのでは…」と思う人もいるかもしれない。
 実際のところ、設立してから2桁年経っていれば、鬱や適応障害の対応に慣れている場合が殆ど。

 あなたの部署の管理職が引き止めるのは「社員にメンタル関連で休まれたら評価が下がる~困る~っ!」って考えてるからです。要するにあなたの心配ではなく、我が身の心配。

 受診する前は体調を労う発言をしている人も、メンタルクリニックでの受診を考えている事を伝えると、心でなく体の病気では?と話題をすりかえて何とかメンタルクリニックを受診させないようにのらりくらり言ってきます。
 診断書を貰い、休職するのが決まった瞬間、今までの心配してますよアピールのような労う言葉はおろか、「手続きの件、承りました」というbotでもできそうなメールすらぱったり消えます。
管理職なんてそんなもんです。


 スティーブ・ジョブズやラリー・ペイジですら、死去や退任後に代わりがいる時代です。だから変な気は使わずマジで休んだほうがいい。
 1番有り得ることであり、より状況が悪くなるのは、回復していないのに申し訳程度の日数だけ休んで働き始めてしまうこと。
 こういう場合は治ってないのに会社に来るもんだから、メンタル周りの事情なんて知る由もない人からは、「会社に来てるだけで仕事してない」など心無い言葉を浴びせられます。リモートワークでも、いい気分にはならないことでしょう。

休養後、すぐに回復し始める訳では無い


 経験上確実に言えるのは、休養を開始してからすぐに回復していく事はなく、最初の1,2カ月は自分の抱えていたストレスや疲れを自覚し、受け入れていくための期間になることです。休養は前述の期間を経てから始まっていくものだと考えておく方が無難です。

 この期間、ある意味では一番症状が重くなります。
 分かりやすいのは駅伝やマラソンを走った後の状態でしょうか(駅伝やマラソンは詳しくないので、実際と異なっていたらすみません)。
 走り終わった後に、急停止は避けて数十歩ほど歩いて徐々にペースを落として、なだれ込むように倒れてタオルをかけてもらうような感じです。
 マラソン終盤の動いてる最中ならまだ惰性で走れますが、スピードを落として歩き始めたら加速はできない、完全に静止して動かなくなったらまた走るのはもはや無理ですよね?

他にしっくりくる喩えでは、NARUTOなんかどうでしょうか。
NARUTOの木ノ葉崩し後に、うちはイタチと干柿鬼鮫が木ノ葉に来る回があり、その際にカカシ先生はイタチの万華鏡写輪眼の月読でメンタルをボコボコにやれてしまうシーンがあるんです。
でも、カカシ先生は倒れない。紅とアスマを守らなきゃいけないからです。しかし、カカシ先生自身が同等以上と認めるガイ先生が来ると安心して気絶してしまうんです。
適応障害もこれと同じ。最初は動悸とか変な苦しさだけで済むんですが、適応障害と診断されて休み始めた瞬間に、一気に疲れが襲ってきます。

休養開始最初の1,2ヶ月は悪化している気さえする。

 最初の1,2ヶ月はフル回転していた時の体調や活力と比較すると落ちていきますし、その過程は休養というより休養の前段階として疲れに向き合うための時間となります。
 本人の体感的には体調がどんどん悪くなっていきますが、ハイになっていて向き合えなかった疲れに向き合う過程なので、悪化している訳では無いです。どうやら最初に必ず通る道だと思うしかないです。


休養中の過ごし方


めっちゃ寝ることになるけど慌てるな


 休職できることが決まって、仕事のペースを減らせるようになったあたりから、睡眠時間が12時間程度に伸びました。
 念の為言うと怠けてるわけではなく、これくらい寝ないとメンタルが全く回復しない、これより睡眠時間が足りないと夕方など寝るべきでない時間に眠たくなり、生活リズムが狂うから仕方なく寝ているというのが正直な感想です。
 最初の2週間くらいは会社勤めの時と同じ睡眠時間(約4時間)を保っていましたが、症状が徐々に悪化していったため、どうやら治療という観点では遠回り以外の何物でもないようです。
 「治るために睡眠は欠かせない、それが長くなることは日数の効率上は致し方ない」という仮説を元に、また睡眠時間を長くすることで良くなったという周りの意見を耳にして、普段の睡眠時間よりも長く睡眠を取ることで、ほんの少し体調や精神面が楽になったような気がする……という感覚です。

 ちなみに休養中は、あくまでイメージですが、駅伝を最後まで走ってから徐々に速度を落として、静止すると同時にその場で倒れ込む感覚になります。

 なので、最初の1,2ヶ月はフル回転していた時の体調や活力から徐々に回転数が落ちて弱くなっていきますし、その過程は休養というより休養の前段階として疲れに向き合うための時間となります。
 体感的には体調がどんどん悪くなっていきますが、ハイになっていて向き合えなかった疲れに向き合う過程なので、悪化している訳では無いです。どうやら最初に必ず通る道だと思うしかないです。

サウナに行こう


 因果関係もなーーんにも分からないけど、サウナはめちゃくちゃメンタル回復に効果があります。なんでなん?教えておじいさん、教えてアルプスの森よ。

 個人的には160℃クラスの高温サウナと、マイナス数℃の冷凍サウナの組み合わせが好きですが、それは好みの問題。混雑具合や立地、内装のオシャレさ、食事やサービスなど総合的に好きな店を探すのもまた一興でしょう。

 身バレが怖い有名な方は、個室サウナがオススメです。新宿のプライベートサウナTribal、上野のRED° E-SAUNA UENOなどが有名です。他には誰もいない環境なので人の目や騒々しさは一切ないですし、自分の好きなタイミングでロウリュできるし、スピーカーから好きな音楽をかけることが可能なので、明確な強みがあります。

https://tribal-sauna.com/

https://e-sauna.red-brand.jp/

あてのない散歩をする


 生活リズムが整って、動けるようになったら、陽の光を浴びての散歩はめちゃくちゃ効きます。おすすめは電車賃が安くなる数駅分を歩くことです。
 汗をかくレベルの有酸素運動ができるなら、それも良いかも知れませんが、そこまでバイタリティがなくなることがあるのも適応障害の怖いところです。まずはできることからということで、ここはおひとつ。
 散歩だけで1つ記事が書けてしまう奥深さなので、ここはいったん終わり。多分加筆する。

昔好きだった事をやろう


 適応障害の症状の1つとして、興味があるものや好きな趣味への関心が大きく減衰していくことが挙げられます。
 昔やっていた趣味やゲームを再度やって「はぁ…あれ、なんかハマらねぇな」みたいな感覚が襲ってきます。現在進行形でやっている場合、普段ならしない酷いミスがポロポロと出てきたら黄色信号です。

 休養を経て、「あ~俺こういうの好きやわ~」って感覚を取り戻し始めています。それでも全快!というにはまだまだ程遠いのが、適応障害の恐ろしいところです。
 「あれもやりたい」「これもやりたい」「落ち込んでる暇なんかあるか!おもろいことやるんじゃい!」くらいの気持ちになってきたら御の字です。
この辺りが僕の現状です。ちなみにこれは躁なのか?ここからさらに落ちるとかないです……よね…?(フラグ)

イラッとする言葉は結構な頻度で、悪気なく飛んでくる


 令和の現代でも、精神的な病に対する理解や認識には、まだ偏見が強いのが実情です。
 たとえば、「これからどうするの?」とか聞いてくる人がいると思いますが、正直適応障害の時に言われたくない言葉のエースで4番みたいな言葉です。悪意がある訳ではないと思うのですが、サラッと言われるのでイラッとはする場面も多いです。
 お客様対応や事務対応でも構わないレベルの距離感の人よりは、家族など比較的距離が近い人から、あまりに理解がかけている言葉が飛んでくる可能性が高いかもしれません。
 こういう場合強いて言えば、精神的な病を抱えた人への接する技術がないだけだと思ってください。

 嫌なら嫌と言うのが1番ですが、それができたら苦労しないというのも僕自身よーく分かります。あとから相手が読み返して「そういう意味で嫌って言ってたのかなー」とか考えられる時間を設けられるように、メッセージなど読み返せるもので伝えた方がいいかも知れません。

夜更かしはやめたほうがいい


 健康な時でも、これをして幸せになった人を見た事がありません。ましてやメンタルの回復中はやめましょう。
 昼夜逆転でホルモンバランスが乱れる、自己嫌悪に陥る。いい事ないです。

 ちなみに、メンタルクリニックで相談すれば、睡眠導入剤が貰えます。  
 「薬なんて大袈裟な…」と思わずに相談してみてください。依存性が少ない薬もありますし、相談すればそういったリスクに関する説明も受けられます。考え事で全然寝られない、強制的に朝を迎え徹夜になってしまう時とかにおすすめです。

酒はお控えなすって候


 酒はダウナー系(気分が落ち込む、マイナス思考になる)と呼ばれるドラッグに分類されるらしいです。
 私は下戸なのでそもそもほとんど飲めませんし、アルコール飲料のネガキャンは憚られますが、肝臓などに限らず精神疾患などに於いても、アルコールはあまり良いものでは無いとされている事だけは記しておきます。


最後に

自分自身は適応障害じゃないけど、周りに適応障害の人がいる場合


 周りに適応障害になっちゃった人がいるけど、接し方が分からない…みたいな人もいるかもしれません。
 そんな人向けの記事はこちら。こちらもお役に立てれば幸いです。
 「家族・友人・同僚・部下の方が適応障害になった人のための記事」
 https://note.com/musou_ryunen/n/n3c11fa9a217e


声優の方ご本人へ。


 まずは体調に関する詳細を公表して頂き、1人のファンとして大変助かりました。
 大きな勇気の要る行動だったと思いますが、ファンとしては、憶測でなく真実を知ることができたのが何よりの救いです。
 所属事務所や関係者の皆様にも、感謝の旨を伝えさせていただきます。

 次に、今はとにかくゆっくり休んでください。
 いわゆるアフレコ以外にもCDやライブや配信など、色々な仕事をこなして八面六臂のご活躍をされていたのは、コンテンツを追っているファンはよく知っています。そして、手を抜かずにめちゃくちゃ頑張っていたのも、ぱかライブとか配信で見ることができるし当然知っています。
 だからこそ、期限や条件なんて決めないで、どれだけかかってもいいので、今はゆっくり休んでください。

 「できる仕事は継続し…」という発表自体は、ありがたいことではあるのですが、個人的な意見としては今こそ休む事に専念して欲しくて欲しくてたまりません。
 というのも、自分も当初は「ちょっとは仕事に関係ある何かしないと…」と、診断書を貰ってから休養の開始までの期間に、うだうだと仕事や仕事に関係ある何かをして過ごしていましたが、その期間中は体調は全く良くならなかったです。それどころか、却って周りの方に迷惑をかけてしまいました。同じ失敗はして欲しくないので、強い言葉を並べてしまいました。お許しください。

 そもそも論として、やはり休養を取る事には抵抗があるかと存じます。声優は契約上、個人事業主だと伺っています。休養などの考え方がサラリーマンと異なるのは、そういった事情もあるとは思います。

 それでもただ1つ伝えたいのは、どれだけ休んでいても、あなたがあなたである限り、素敵なところが1つとして消えることはないということです。

 「あの時ゆっくり休養を経たことが、今の価値観に繋がっている」と、幸せそうな顔をして、数年後にはそう思える人生を歩んで欲しい。
 そして、その時は声優以外の仕事をしていても、地球のどこかで幸せそうに生きているなら一向に構わない。

 これが、あなたと同じ病になった1人のファンが思う内容です。


謝辞


 当然ですが、ここに書いた過ごし方は私ひとりで編み出したものではありません。過ごし方については、調査や自分の体を使った実験、示唆や仮設の検証などを経て編み出したものの叩き台に近いです。
 引用したHPを始めとした休養中に眺めたメンタルクリニックなどのデスクトップリサーチ、メンタルヘルス系の書籍・レジリエンス管理の書籍、相談した医師や周りにいる方からのアドバイス、私以外に罹患した方のアドバイスなども多く反映されています。
 名前を挙げることはしませんが、この場を借りてご助力頂いた皆様へ感謝の意を伝えます。本当にありがとう。

 俺、はじめて人の役に立てたかもしれん。

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