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全ては3!子どものワーキングメモリーを、ふだんの生活の中で鍛える方法

ワーキングメモリーとは?

ワーキングメモリー(作業記憶,作動記憶) とは、短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き、計算などの基礎となる、私たちの日常生活や学習を支える重要な能力です。

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ピアノを習うとワーキングメモリーの能力がUPする?

「ピアノを習うとワーキングメモリーの力がつく」とは、よく言われていることです。

譜面を見る(音の高さドレミや、指の番号、リズムを同時に認識する)⇒指で鍵盤をおさえる⇒音を聴きながら、目は次の音符を見る⇒これをくり返しながら暗譜する⇒大きく弾く、小さく弾く、ゆっくりする、なども考えながら弾く。
これらを全て、同時にやっています。

小さな短期記憶の積み重ねです。

なかなか読めるようにならない楽譜

ピアノを教えていると、楽譜がなかなか読めるようにならない子がいます。ト音記号は読めても、ヘ音記号との区別がつかなかったり、真ん中のドレミファソは覚えられても、高い音になるとわからなくなったりします。

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字は読んだり書いたりできても、ドレミの場所はわかって鍵盤をおさえられても、ド⇒一度楽譜に変換される⇒脳に指令を送る⇒指に伝達する⇒鍵盤の場所を確認⇒弾く
という何工程もの作業となると、やはり短期に記憶していないと難しいのかもしれません。繰り上がり計算は、20をどこか頭の片隅に置いておいて、計算をしているイメージです。
知的にも少し遅れていることが多いです。

あれこれと工夫をして働きかけてみますが、(色分け いろいろなドリル カード など)あまり大きな進歩はみられません。

そこで、どのくらい聞いたことを記憶して動けるのか?やってみました。

遊びながら鍛える

お祭りの夜店で買った宝石です。

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「トンボと金魚とハートを取って」
と指示を出します。
ワーキングメモリーの弱い子は、トンボ、金魚、ハート、と順番に取れず、最後に聞いたハートから取ろうとします。
結果、間違えてしまいます。
二つなら取れます。

少し離れた場所に、例えば、時計、鉛筆、ぬいぐるみ、赤鉛筆、絵本、と、5個くらい置きます。鉛筆と赤鉛筆のように、少し迷いそうなものも入れます。これも「時計、赤鉛筆、絵本」と取ってくるようにお願いします。

正確に取れる子どもは、言われた通りの順番で取って来ますが、最後の絵本から取って、あとは思い出しながら取ろうとする子どもは、間違います。

二つまでできても、どうしても3つ目が出て来ません。3つ目を教えると、残りの二つのどちらか一方を忘れてしまいます。
良くない言い方ですが、ところてんがスゥ~っと押し出されているような感覚に襲われます。

ただし子どもたちは、遊びやゲームのような楽しい気持ちになるらしく、とても喜んでやっています。復唱を何度かさせて、それからスタートするのもコツです。20年近くやって来ました。
時間はかかりますが、少しずつ取れるようになります。

日常の中でお金をかけずに鍛える

よく自閉症の子どもたちの療育では、料理をさせる(多くの手順が必要だから)マラソンをさせる(運動脳を鍛える)を推奨しているようです。

私も、お手伝いは、とても効果があると思います。
食事の支度、洗濯物をたたむとき、何か物を取ってほしい時、など、お母さんも忙しい中、自分でやった方が早い時もたくさんありますが、どうかたくさんお手伝いをさせてください。

「お皿とお箸とパパのお茶碗並べてね。」
「カバンの中に、ティッシュとハンカチとチョコレート入れてね。」

ありがとう!を忘れずに💗

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全ては3!

そして、お手伝いをしてもらう時、何かをお願いする時、3つを意識して、気軽な気持ちで取り組んでみてください。

上手くできたら、めっちゃ褒めてあげてください。

楽譜がなかなか読めるようにならない子どもを前にして、ピアノだけでワーキングメモリーを鍛えるだけではなく、逆もまた真なり、で、お家でも、そしてピアノレッスンの前にも、ひとつでも作業を入れることで、能力が上がること=ピアノの上達を期待して取り組んでいます。

さらにできそうなら、色板を使って上級編!

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「赤い丸と、黄色い三角と、緑の四角を取ってください。」

色板が無くても、色紙を切ればできます。


自分でワーキングメモリーを鍛える

もし、この記事を読んでくださっているあなたが、自分で鍛えたいなら、常に3を意識して動きましょう!

*2階に、ペンと本とノートを取りに行く
*台所に行って、コーヒーを入れて、洗濯物を干して、LINEの返事をする

今日の私の買い物
*コンソメ顆粒 黒砂糖 日本茶

指を折って2度、復唱して出かけました。

ふだんはメモ魔です。メモに書いておくと頭がスッキリするので。
でも、時折、メモをしないことも大切かもしれないです。

90歳になる私の母は、スケジュールノートというものを生涯持たず、公務員生活を続け、二人の子どもを育て上げ、4人の孫をみて、その後、80歳まで別の所で働き、今も私の何倍も優れた、認知症とは無縁の記憶魔です。

メモをしない。だけ聞くと、今の流行りからは外れてますねぇ(笑。


日常生活の中での、全ては3!
どうかぜひ、やってみてくださいね。




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