#桜がみえる城下町で音楽研究してみた。

音楽を学ぶ学生と大学教員が、とある国立大学教育学部で行っている活動の記録。このnote…

#桜がみえる城下町で音楽研究してみた。

音楽を学ぶ学生と大学教員が、とある国立大学教育学部で行っている活動の記録。このnoteの主役は学生。遊び心と誠実さを大切に、のんびり更新していきます。 #一緒に音楽する? #弘前大学教育学部音楽教育講座ピアノ研究室

最近の記事

【今日の一曲】結婚

今日の一曲は「結婚」(詩:山之口獏、曲: 中田喜直)です。 「歌曲は、上等なオペラ作品を凝縮した小宇宙のようなもの」という言葉を、聞いたことがあります。R. Straussの"Morgen!"(https://youtu.be/9ed9_mp5YXc)、F. P. Tostiの"Visione!"(https://youtu.be/mi1BzG93gXw)、山田耕筰の「からたちの花」(https://youtu.be/5sqg0cZzaGQ)など、言葉と音楽が私たちを独自の

    • 【今日の一曲】〇と△の歌

      今日の一曲は「〇と△の歌」です。 羽仁進監督による映画「不良少年」(1961)中に登場するこの歌は武満徹の作詞作曲です。映画のラスト20分ほどで曲の冒頭がほんの少し紹介されるだけなのですが、その後、作曲者本人によって合唱作品化され、ソロで演奏できる楽譜(SONGS)が登場したこともあり、クラシックの演奏会等でも扱われる作品となりました。 映画の内容は、主人公浅井が強盗をはたらき、特別少年院に入所してから退所するまでが、1時間30分で描かれます。強い人についていく者、部屋で

      • 【弘大祭 2022】文化祭盛り上がってます!

        今日明日は、第21回弘前大学総合文化祭が開催されています。 昨年は事前予約が必要だったと思うのですが、今年はどなたでもご来場いただけることから、学内は本当にたくさんの人でにぎわっています。 弘前大学の学生だけでなく、附属や近隣大学の参加、また招聘ゲストによるイベントもあるようです。 広場にあるステージには、今回の文化祭のテーマ「壮像(そうぞう)」が掲げられています。 よさこいのイベント中は、本当にたくさんの方が集まり、歩きづらさを感じるほど盛況です。 教育学部前では出店

        • 【今日の一曲】野ばら Heidenröslein

          前回投稿から半年が経ってしまいました…。 その間、様々な活動を行っておりましたため、少しずつ投稿をしていきます。将来音楽の教員を目指す学生の活動を僕も支えていきますので、引き続き皆様にも応援いただけると嬉しいです☺。 さて、今日の一曲は「野ばら(Heidenröslein)」です。 学年が変わり、新しいメンバーとの活動記録です。 「野ばら」はF. シューベルト(1797-1828)の歌曲作品としてご存知の方も多いのではないでしょうか。また、この詩はJ. W. ゲーテ(17

          Moritz Moszkowski:5 Walzer, Op.8 Ⅰ,Ⅴ

          (Primo 川村真由, Secondo 後藤優) こんにちは♪先日、大学にあるホールにて、連弾の録音をしてきました。 まずは私たちの演奏動画を以下のリンクからご覧ください! このように無事録音を終えることができたのですが、苦労したこと、録音中感じたこと、お互いに対して思ったことなど...。たくさんありました! そこで、お互いに手紙を書いて伝え合うことにしました。以下、その内容となります。 Dear 優  私たちにとって初めての録音だったけれど、とっても大変でとっても楽

          Moritz Moszkowski:5 Walzer, Op.8 Ⅰ,Ⅴ

          Igor Stravinsky:Danse Russe

          まだ私たちの演奏を見ていただいていないようでしたら、⇩から視聴してみてしてみてください! Firstの川村真由(ま)です。 Secondの貴田涼華(す)です。 Q.なんでこの曲を選んだか す:2人で連弾をやるぞって決めて、なに何をやろうかって色々な曲を見ていた時に真由が持ってきてくれたんだよね! ま:そしたら、涼華がやりたかった曲だったのもあって、採用になった! す:小さいときに聴いたことがあって、すごい好きで印象に残っててビビッときたんだよね~ ま:最初聴いたときとって

          Nikolai Kapustin:8 Concert Etudes, Op. 40-1

          今回、私はニコライ・カプースチン作曲、 8つの演奏会用練習曲より第1番『前奏曲』を弾かせて頂きました。 この曲を選んだきっかけ 小さい頃って少し年上のお兄さんが凄くかっこよく見えるって経験ありませんか?笑 私が通っていたピアノ教室に、その教室のスター!みたいなお兄さんがいたんです。そのお兄さんが、毎年の発表会で必ずジャズっぽいジャンルのものを弾いてて、そのレパートリーの1つがカプースチンのこの曲だったんですね。 初めて聴いた時は衝撃を受けました。 憧れのお兄さんが弾いている

          Nikolai Kapustin:8 Concert Etudes, Op. 40-1

          【今日の一曲】I hate music!

          今日の一曲は「I hate music!」です。 この作品の作曲者レナード・バーンスタイン(1918-1990)について、もしかすると『ウェスト・サイド物語』や『キャンディード』という作品を思うとイメージをもちやすいかもしれません。 彼が書いた歌曲集 I hate music! は、彼のルームメイトであったEdys Merrilに捧げられています。というのもこの作品の着想は、バーンスタインが歌手への稽古をつけたり、ピアノを弾いているのを日頃耳にしていたEdys Merri

          【今日の一曲】Out There("ノートルダムの鐘"より)

          今日の一曲は「Out There」です。 これまで、日本歌曲やドイツリート、アメリカの歌曲など、クラシックと呼ばれるジャンルの歌曲作品を見てきたのですが、今回は、ミュージカル音楽や映画音楽の作曲家アラン・メンケン(1949-)の作品から、『The Hunchback of Notre Dame』(ノートルダムの鐘)より「Out There」を見ていきたいと思います。 1996年公開のディズニー長編アニメーション『ノートルダムの鐘』は、ミュージカルでの上演もされ、日本国内に

          【今日の一曲】Out There("ノートルダムの鐘"より)

          【今日の一曲】鴎

          今日の一曲は「鴎」です。 この作品は木下牧子(1956-)による作品です。 木下牧子は、合唱をはじめとして、歌曲、管弦楽、吹奏楽など、幅広いジャンルの作品を発表する日本人作曲家です。 三好達治の詩に付曲されたこの作品は、合唱作品としてのみでなく、歌曲作品としても愛されて演奏されています。 三好達治の詩作品中、「鴎」がタイトルに付されていたり、詩中に「鴎」が登場するものは少なくありません。三好達治の詩作や「鴎」による象徴イメージについては、以下URLで簡単にまとめてあり

          ピアノ三味線弾きくらべ

          みなさん、こんにちは。 突然だが、和楽器と言えば、何を思い出すだろうか。 祭りを盛り上げる和太鼓、篠笛だろうか。 お正月をあのメロディーで華やかに飾ってくれるお琴だろうか。 それとも、なんとか麻呂が登場するときのあの音を出す笙だろうか。 いずれも素晴らしい楽器であるが、 今回、私が言わんとしているのは、 そう、三味線である。 その中でも特に 津軽三味線を取り上げたい。 そして、今回はその津軽三味線とピアノを比較したいのだ。 というわけで、いくつかの観点からこ

          新年挨拶+弘大フィル定期演奏会

          新年、あけましておめでとうございます。 noteを始めてからまだ2か月しか経っていませんが、 継続的に発信できていること、そして ありがたくも私たちの記事を読んでくださっている方がいること、 感謝しかありません。 本当にありがとうございます。 2021年最後には、弘前大学フィルハーモニー管弦楽団の第51回定期演奏会が開催され、学生より案内をいただいたため、応援にかけつけました。 演奏曲目は「大学祝典序曲」(J.ブラームス)、「スラヴ行進曲」(P.I.チャイコフスキー)、「

          新年挨拶+弘大フィル定期演奏会

          「楽譜をみる」ということは

          授業のまとめとして「楽譜をみる眼」と「読んだものを演奏に移すためには」というテーマで話し合いました。 わんどの譜読み「わんど」は津軽地方の方言で「私たち」という意味です。 まずは、5人がどのような視点から譜読みを始めるかを話し合いました。 それぞれ出た意見は… 甜麵醬:「リズムやアーティキュレーションからニュアンスや音色を決める」 ゴピオカ:「歌詞からイメージをつくる」 ぷう:「和声から取り組む」 きなぷぷ、casual guy:「旋律から音色テンポを決定する」 この

          【今日の一曲】Early in the Morning

          今日の一曲は「Early in the Morning」です。 この作品はNed Rorem(1923-)という、アメリカの作曲家による歌曲です。 ここで「ネッド・ローレムって誰?」と思った方、「あ~、ローレムね」と思った方とで分かれるのではないでしょうか。 日本国内では、歌曲と言えばドイツ歌曲、イタリア歌曲、フランス歌曲が多数派に見え、英米歌曲をはじめとして、ロシア歌曲やスペイン歌曲、スウェーデン歌曲などはどちらかと言えば少数派かもしれません。 ローレムは歌曲を数多

          【コンポーザーズノート】T1008の「へぇ~集」

          コンポーザーズノート。今日は T1008 です。 Tをイニシャルに持ち、10月8日生まれの作曲家。 今回は 武満徹 です。 前回の三善晃に続き、武満も日本の現代音楽を語る上では外せない作曲家です。東京オペラシティ(初台)のコンサートホールが「タケミツ メモリアル」の名を持ち、武満徹自身がホールの設計段階に関わっていたことからも、ホールにいくといつでも武満を感じることができます。 『風の馬』などの難解な合唱作品も作曲している一方で、「〇と△のうた」や「死んだ男の残したもの

          【コンポーザーズノート】T1008の「へぇ~集」

          【今日の一曲】魔王

          今日の一曲は「魔王」です。 「魔王」とは? 素朴な疑問。シューベルト作曲、ゲーテ詩による「魔王」は、多くの方がご存知の作品ではないでしょうか。 とある夜、父が子を抱え、馬で駆けていた。 子どもが言う。「お父さん、そこに魔王がいるよ。」 「それは霧だよ」と、父が言う。 子どもが言う。「お父さん、魔王が何か言っているよ。」 「葉のざわめきだよ」と、父が言う。 ついに魔王が子どもを連れ去る。 あえぐ子どもを抱きかかえ宿についたとき、 すでに子どもは息がなかった。 こういうお話