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インターンプログラム【12】~「ミュージアム」と「利用構造」~

この回では、「図書館」で利用できる「ブック形式」のコンテンツ、「劇場・ホール」で利用できる「プログラム形式」のコンテンツとの比較を通して、ミュージアムの「利用構造」を考えます。(2022.1.31)

🌕〈S〉
今日のテーマは、いよいよ、
「ミュージアム」と「利用構造」
です。

🌑〈AC〉
「図書館」と「劇場・ホール」、
「利用構造」はどちらも、
利用論に基づく「逆ピラミッド型」でした。
※左が「劇場・ホール」、右が「図書館」

🌕〈S〉
「利用構造」が、
利用論に基づく「逆ピラミッド型」
だということは、
「利用者が利用するための構造」になっているということでしょうか?

🌑〈AC〉
「劇場・ホール」は、
「プログラム形式」
のコンテンツを、
「図書館」は、
「ブック形式」
のコンテンツを、
「利用者が利用するための構造」として形成されてきたと言えます。

🌕〈S〉
ミュージアムの「利用構造」は、
利用論に基づく「逆ピラミッド型」ではないのでしょうか?

🌑〈AC〉
まず、
「利用する」とは何か、を確認してみましょう。

「何か」を「利用する」ということは、
特定の「時間」と「空間」にある「コンテンツ」と「自分」が「接点」を持つことだと考えると、
何かの「プログラム」(時間×空間×コンテンツ)と「接点」を持つこと「利用する」ことになります。

🌕〈S〉
ということは、
「プログラム」(時間×空間×コンテンツ)になっていないと「利用」できないとも言えますね。

🌑〈AC〉
また、
図書館で利用できる「ブック形式」の場合、
利用者の「手元空間」に移動し、読み手の都合のよい「時間」に、「作り手の世界」を開くことができる、きわめて自由度の高い「プログラム」だと言えます。

🌕〈S〉
「プログラム形式」も、手元空間でプログラムになる「ブック形式」も、「利用するための形式」だということなんですね。

ミュージアムで利用したい「コンテンツ」が、どのような形式になっているかを考えることで、ミュージアムの「利用構造」とその「問題点」がわかってくるような気がしてきました。

🌑〈AC〉
「美術展」などの「展覧会」は、
特定の(時間×空間×コンテンツ)を持っている「プログラム」です。
どの「展覧会プログラム」に行きたいか、
「選択」をして「利用」しています。

「展覧会」は、特定な「期間」でも時間帯はフリーでしたので、「劇場・ホール」でのプログラムと異なるように感じていましたが、2020年以降「時間予約制」に移行するケースが増え、同じ「プログラム形式」であることが理解しやすくなりました。

🌕〈S〉
「空間形式の次元」を使った、「展覧会の空間形式」の説明はこうでしたね。

ミュージアムでいう「資料」は、
0次元の「点=モノ」、
「展覧会」は、
1次元の「線=物語」にあたります。
「点=モノ」をピックアップし、
「線=物語」を構成するのが「展覧会」だと言うことができます。
「展覧会」の利用者は、
構成された「線=物語」を辿ることになるから、「順路」がある。
「利用者」と「資料」の関係(接点)で言うと、【利用者:資料=1:1】が基本ですが、
「線=物語」に構成された「展覧会」では、【利用者:資料=1:n】の関係になり、
1人の利用者が、n点の資料と【1:1】の関係で連続してn回の閲覧をする「空間形式」だとも言えます。
順路に沿ってn回の「閲覧」を順番に続けていくから「順路形式」として整理しています。

🌑〈AC〉
この「展覧会」などは、
いわゆる「仮設のプログラム」ですから、わかりやすいのですが、
ミュージアムには、「常設展示」を中心としたものが多く、「利用」との関係が大変難しいものとなっています。

このつづきは、また次回に。

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