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インターンプログラム【10】~「劇場・ホール」とミュージアム~

この回では、劇場・ホールの「利用構造」が、利用論に基づいた逆ピラミッド型であること、「仮設プログラム」の「作り手」が「劇場・ホール」にとっての「利用者」であることの意味、などをお話します。(2022.1.29)

🌕〈S〉
「劇場・ホール」は、
「常設の舞台」の上に「仮設のプログラム」が重なる構造になっていて、
「劇場・ホール」の「仮設プログラム」が連続して変化する、魅力的なプログラム状況を生み出していくんでしたね。

🌑〈AC〉
【1】「運営論」と「利用論」に出てきた2つの組織構造、
右側の▽が、逆ピラミッド型組織、利用論に基づいた考え方でした。

🌑〈AC〉
「組織構造」に「利用者主体」との関係を加えたものが「利用構造」です。
「利用構造」も、
運営論に基づく「△」のピラミッド型と、利用論に基づく「▽」の逆ピラミッド型があります。
じつは、
「劇場・ホール」の「利用構造」は、
利用論に基づいた逆ピラミッド型
になっています。

🌕〈S〉
この図では、
「劇場・ホールスタッフ」が「アテンダント」の位置になるんですね。

🌑〈AC〉
「劇場・ホール」でのプログラムは、
「常設の舞台」の上に重なる「仮設のプログラム」です。
この「仮設プログラム」の「作り手」は、
「劇場・ホール」から「常設の舞台」を借りて「仮設プログラム」を作っています。
つまり、
「劇場・ホール」にとっての「利用者」とは、「仮設プログラムの作り手」であることが基本です。(「自主事業」を除く)

🌕〈S〉
「劇場・ホール」という「空間媒体事業」の成果は、「仮設プログラム」そのものですものね。

🌑〈AC〉
その通りです。
「劇場・ホール」として「常設の舞台」を「利用者(プログラム主催者)」に提供する上で、すべての「劇場・ホールスタッフ」は「アテンダント」のポジションで業務にあたっています。

🌕〈S〉
「仮設プログラム」に来てくれる来観者は、プログラムの「利用者」であって、「劇場・ホール」の利用者とは違うということになるんでしょうか?

🌑〈AC〉
すごく良い質問です!
△型か▽型かという「利用構造」の違いにより、「利用者」の位置づけが変わっているということです。
△型では、単なる「来館者」であっても、
▽型では、「仮設プログラム」の重要な構成要素である「観客=お客様」になります。
観客がいなければ、プログラムは成立しないのですから。

🌕〈S〉
この「利用構造」の違いが、
利用者の少ないミュージアムの状況をつくっている
のかもしれませんね。

🌑〈AC〉
「劇場・ホール」では、自ら主催者として「仮設プログラム」をつくる「自主事業」というのがあります。
一つの「劇場・ホール」が企画する「仮設プログラム」のボリュームと、
多種多様な主催者が、それぞれに企画する「仮設プログラム」のボリュームとを比較して考えてみてください。
そのボリュームと多彩さは、比べ物にならない差になるはずです。

🌕〈S〉
「劇場・ホール」の「仮設プログラム」が連続して変化することに、この「利用構造」も関係していたんですね。

🌑〈AC〉
一つ目は、
「空間媒体」の「レイヤー構造」
二つ目が、
「▽」逆ピラミッド型の「利用構造」
この2つが、
「劇場・ホール」の「仮設プログラム」が連続して変化する、魅力的なプログラム状況を生み出しているということです。

つづきは、また次回。

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