睦夢夕

妖怪や妖怪・幽霊に関わる伝説や信仰が好きです。 電子書籍の自費出版もしています。ご興…

睦夢夕

妖怪や妖怪・幽霊に関わる伝説や信仰が好きです。 電子書籍の自費出版もしています。ご興味があればご一読いただければ幸いです。→https://www.amazon.co.jp/~/e/B09YR86KQB モットーは 「鳴かぬなら ほかをあたろう ほととぎす」

最近の記事

景清伝説と聖地の境界性

修験の世界を筆頭に日本の信仰ではかつて女人禁制の聖地が存在していました。現在ではごく一部が残るのみ、その一部の禁制の維持を巡っていろいろな議論が交されている状況ですが。 こうした地では女性が聖地に入ることができず、「女人結界」とされた境界線で「女人堂」のような施設を設けながら遠くから聖地に祈りを捧げるような環境になっていました。 ただこのような女性が排除された形の環境があった一方でこうした境界の地が女性を中心とした新たな聖地となっていく面もあったようです。 さらにもとも

    • 大友皇子、高市皇子の間で揺れた十市皇女は悲劇のヒロインか?

      何やら煽情的なタイトルですが(笑) こんにちは。先日の投稿で千葉県にある藤原時平ゆかりの神社を取り上げたときに「千葉県には貴種流離譚めいた伝承がある」といったことを書いたのですが、投稿した後になって「そういえばコレもあったな」と思い出したネタがあったので取り上げてみることにしました。 上記の画像は千葉県夷隅郡大多喜町、紅葉の名所としても知られる養老渓谷にある「弘文洞跡」です。房総半島の中心やや南、所在地の大多喜町は本多忠勝でおなじみの大多喜城跡がある地域でもある…と書けば

      • なまはげの伝統で強引にロマンティックなラブストーリーを仕立て上げてみた!

        登場人物(?)はみんなうさぎ。耳が垂れているのはロップイヤーという種です。 もう15年以上前に描いたものですが…パソコンのデータから出てきました。 昨今人気の縦スクロールマンガの波に乗っかれるんじゃないかと思って(笑) 楽しんでいただければ幸いです。

        • 自称和製シャーロック・ホームズ、千葉の怪獣伝説とレア神社の謎に挑む!

          なにやら超強気なタイトルですが、現在↓のシリーズを読んでいます。 ホームズ・パスティーシュの一種、ホームズとクトゥルフ神話の世界を融合させたじつに意欲的な作品です。ホームズがその明晰に頭脳と、ときどき魔術アイテム(!)を用いつつクトゥフの邪神と対決する! これを読んでいるとホームズシリーズに夢中になった中学生時代、ラブクラフトの世界に入れ込んだ高校時代を、さらにロンドンに住んでみたくて仕方がなかった多感な頃を思い出します。 そんなわけでちょっとホームズになってみようかな

        景清伝説と聖地の境界性

        • 大友皇子、高市皇子の間で揺れた十市皇女は悲劇のヒロインか?

        • なまはげの伝統で強引にロマンティックなラブストーリーを仕立て上げてみた!

        • 自称和製シャーロック・ホームズ、千葉の怪獣伝説とレア神社の謎に挑む!

          浜松の椿姫観音堂とオペラ「椿姫」

          ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくおねがいします。 一昨年の年末の話ですが、浜松へ旅行へ行ってきました。その滞在中に東海道新幹線に停電のトラブルが生じて大幅なダイヤの乱れが発生、浜松駅でも大混乱が生じていました。そんな様子を見ながらわたしはふと… 「えっ?東海道新幹線が停まってる?もしかして静岡県内でのぞみが停まっているの?」 と一発ジョークが浮かんだのですが、さすがにマズいかなと思って言わずにおきました…って今言っちゃった

          浜松の椿姫観音堂とオペラ「椿姫」

          都人たちは赤色オーロラの夢を見たか?(Did Metropolitans Dream of Red Aurora?)

          今月はじめに北海道でオーロラが肉眼で観測されたニュースがちょっと話題になりました。こんな感じで↓ そんなわけで機を見るに敏、話題のネタに乗っかってしまおうじゃないか、というわけで歴史と絡めて投稿してみることにしました。 理系も絡む内容なのでタイトルもSF小説風に。元ネタがわかる方は笑ってください(笑) 日本で見られるオーロラは「低緯度オーロラ」と呼ばれるもので上記のページにも少し書かれているように太陽が大規模な爆発を起こして(核兵器の1億倍くらいのエネルギーだそうです)

          都人たちは赤色オーロラの夢を見たか?(Did Metropolitans Dream of Red Aurora?)

          高源寺の地蔵ケヤキと桔梗塚...信仰と伝承を通して見る昔の人々の暮らし

          今回は巨樹の投稿を。茨城県取手市の高源寺境内にある通称「地蔵ケヤキ」。 最寄り駅は関東鉄道常総線のゆめみ野駅。なかなかロマンティックな名前の駅ですが、ひらがななのがちょっとねぇ...駅から徒歩で20分くらいでしょうか。 お寺の境内全体がこの巨樹を中心にレイアウトされているといっても過言ではないほどの堂々たる姿。しかも内部が空洞になっていてお地蔵さまが安置されているという実に「絵になる」巨樹です。 ↑の説明板にあるようにお寺が火災に遭った際に木にも類焼してしまいこの大きな

          高源寺の地蔵ケヤキと桔梗塚...信仰と伝承を通して見る昔の人々の暮らし

          あなたの知らなくていい世界 ~in 京都

          こんにちは。今回の投稿では安倍晴明から来年の大河ドラマの世界にちょっとばかり迫ってみたいと思います。 ところで、80年代から90年代にかけての時代には今思うとかなり斬新なテレビ番組が放映されていました。 「宜保愛子の心霊スペシャル」「矢追純一のUFOスペシャル」「ユリ・ゲラーの超能力スペシャル」「川口浩の探検隊シリーズ」...このようにいかにもうさんくさい...じゃなくて神秘的かつ啓発的な番組がお茶の間を賑わせていたものでした。 というわけで、こうしたいかがわしい...

          あなたの知らなくていい世界 ~in 京都

          日本霊異記にて、安倍晴明と白狐伝説の結びつきを見いだす(気がした)

          先日こんな本を購入しました。↓ 安倍晴明『簠簋内伝』現代語訳総解説 戎光祥出版 コミック、小説、映画などのメディア展開で一気に有名になった平安時代の陰陽師、安倍晴明が遺したとされる陰陽道の秘伝書!これさえあれば式神を駆使するのも誰かに呪いをかけるのも解くのも思いのまま。 なにせつい20年ちょっとくらい前までは京都の晴明神社なんて「知る人ぞ知る」神社、京都駅でタクシーを捕まえて「晴明神社へ」といっても通じなかった...なんて言われます。それが今や京都の名スポットのひとつに

          日本霊異記にて、安倍晴明と白狐伝説の結びつきを見いだす(気がした)

          絵巻物、常陸国、浄土真宗、そして筑波のご神木。

          先月、毎年実施されている地域ブランド調査と称する「全国都道府県魅力度ランキング」が発表されました。最下位は安定の(?)茨城県。 このランキングを見ると北関東&埼玉県の冷遇ぶりが際立っているうえに上位陣は毎年変わり映えしない顔ぶれで「何の意味があるのか?」と疑問に思わざるを得ないのですが。それに下位にランクしている県に住んでいる人たちからすれば「どこ見てんねん?」とツッコミ入れざるを得ないと思うのですが。 ただこのランキングのおかけで毎年この時期になると茨城に行きたくなるo

          絵巻物、常陸国、浄土真宗、そして筑波のご神木。

          東京国立博物館にて、朝護孫子寺では出会えなかった絵巻物と出会う。そして護法童子に思いを馳せてみた。

          つい先日東京国立博物館で開催中の特別展「やまと絵~受け継がれる王朝の美」を見てきました。 当初は行く予定はなかったんですよね、名称からしてありがちな「ニッポンすごい!」系の内容で表現が表面的で面白みのない(あくまで個人的な意見です)「御用絵師系」の絵師たちの作品が展示される展覧会だと勝手に思い込んでいたので。しかしネット上でもけっこう話題になっていたので公式サイトで確認してみるとどうやらぜんぜん違うらしい。 なんだか面白そう…というよりわたくしにどストライクな内容ではなか

          東京国立博物館にて、朝護孫子寺では出会えなかった絵巻物と出会う。そして護法童子に思いを馳せてみた。

          秩父今宮神社 ~手を合わせ 伏せず仰ぐが 秩父流 昼に龍神 夜に妙見

          ↑は千葉県秩父市にある秩父今宮神社。観音霊場として知られ、仏教寺院が圧倒的な存在感を放つ秩父エリアにおいてはこの神社からもほど近い秩父神社と並ぶ数少ない存在感のある神社です。 秩父神社の方はもともと妙見信仰(北極星・北斗七星を神格化した妙見菩薩への信仰)で知られていまして、関東では千葉県千葉市にある千葉神社と並ぶ当信仰を代表する神社だと思います。江戸時代までは「妙見宮」と呼ばれていました。 そして秩父と言えば秩父平氏が活躍した地としても有名で、彼らは現在の千葉県で大きな勢

          秩父今宮神社 ~手を合わせ 伏せず仰ぐが 秩父流 昼に龍神 夜に妙見

          広沢池と刀剣、和歌とともに後鳥羽院に思いを馳せてみる

          「広沢の 池に宿れる月影や 昔をうつす鏡なるらん」 前回京都の広沢池についての投稿をしました。その続編というか、スピンオフというか。 広沢池の基本情報に関しては前回の投稿をご覧いただければ幸いです↓ 冒頭の歌はそんな広沢池を題材とした後鳥羽院(1180-1239)作のものです。現代人でも難しく感じない、わかりやすい歌ですね。 ロマンティックな感性と旺盛な野心の両方を持ち合わせていたらしいこの人の性格がこの歌からうかがえるような気がするのですがいかがでしょうか? 過去に

          広沢池と刀剣、和歌とともに後鳥羽院に思いを馳せてみる

          京都の広沢池とステキな石仏たち

          前回の鎌倉の投稿に引き続きまして、先日出版したわたくしの電子書籍の宣伝を兼ねて収録した内容に関連した歴史・観光の投稿を。今回は京都の広沢池。 電子書籍は↓で。ご一読いただければ幸いです。 こちらはその電子書籍について紹介した投稿です↓ 前回の「鎌倉&日本刀」についての投稿は↓で 京都の右京区嵯峨にある広沢池。京都を代表する観光エリアの嵯峨野・嵐山エリアからちょっとだけ離れた位置にあります。後述するこれまた京都を代表する観光エリア、仁和寺・龍安寺・金閣寺エリアと嵯峨野・

          京都の広沢池とステキな石仏たち

          武士の都、相州伝の地、金属の街、鎌倉

          前回投稿したわたしの電子書籍の宣伝も兼ねて。収録した物語に関連した歴史・観光の投稿をしてみたいと思います。今回は鎌倉。 電子書籍は↓で。ご一読いただければ幸いです。 こちらはその電子書籍について紹介した投稿です↓ かつて日本刀の産地は「五箇伝(ごかでん)」と呼ばれる有名な産地がありました。京都の「山城伝」、奈良の「大和伝」、岡山の「備前伝」、岐阜の「美濃伝」、そして神奈川県鎌倉市の「相州伝」。 山城伝は伝説的な刀匠、三条宗近を輩出、備前伝は全国的に知られる流派「備前長

          武士の都、相州伝の地、金属の街、鎌倉

          ★Kindle電子書籍を出版しました★

          先日AmazonのKindleで電子書籍を出版したのでご報告&ちょっと宣伝でも。 Amazonの商品ページでは100ページとなっています(これは著者が設定するものではありません)。 内容は4つの物語を収録した短編集です。タイトルは以下の通り。 「蹴劇(しゅうげき)」 「今宵は宴だ たぬき日和」 「魂を鎮めしモノ/魂を収めしモノ」 「流砂の宝刀」 「今宵は宴だ たぬき日和」を除く3編は前近代の日本を舞台にした幻想文学/ホラー/ファンタジー系の話。神仏や妖怪がまだ日常生活

          ★Kindle電子書籍を出版しました★