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神様がくれた試合

スポーツの世界はドラマに満ちています。
特に世界一を争う場面には「出来過ぎ!」としか思えないようなドラマが用意されています。

昨日、全米オープンを制した大坂なおみ選手にもドラマがありました。
大坂なおみ選手は日本人のお母さんとハイチ人のお父さんの間に生まれ、3歳まで日本で過ごしました。
その後、アメリカに渡りましたが、そこでテニス人生がスタートしました。

セリーナ・ウィリアムズ選手の試合を観たことからテニスを好きになったようですが、有名なコーチをつけるほどのお金はなく、また家族の誰もテニス経験がありませんでした。
それで父親がテニスの本とDVDで勉強して娘にテニスを教えたそうです。「そんなことで!」と思われるかもしれませんが、セリーナ・ウィリアムズ選手も同様の教育で一流選手になったのを知って「自分にも出来る!」と思ったそうです。

そして大坂なおみ選手は徐々に頭角を現してきました。
強烈なサーブが売り物でしたが、メンタルは全く不完全、自分をコントロールできずに負ける試合が多かったようです。
そんな大坂なおみ選手に声をかけたのが、サーシャ・バインコーチでした。

サーシャ・バインコーチは200km近い弾丸サーブを持ちながら、それを活かせない大坂なおみ選手に大きな可能性を観たようです。
このサーシャ・バインコーチは、以前セリーナ・ウィリアムズ選手のコーチを8年間務めた人でした。

こうして因縁とも思えるようなドラマの決着が決勝の舞台でやってきました。大坂なおみ選手にとっては初のグランドスラム決勝で、相手はセリーナ・ウィリアムズ選手でした。

大方の予想がセリーナ・ウィリアムズ選手有利でしたが、私は大坂なおみ選手の勝利を確信しておりました。
占いのデータではほぼ互角でしたが、やはり過去に色々なスポーツで起きた「時代を動かす試合」の要素が揃っておりましたので、大坂なおみ選手が圧勝するだろうと思っていたのです。

結果は、まさにその通りになりました。
神様は、なぜかこんなドラマを用意するのです。

ドラマといえば、先日の第100回高校野球甲子園大会の決勝に、秋田代表の金足農業高校が進みましたが、第1回の決勝進出校は秋田県代表でした。第100回の決勝進出校も秋田県でした。

金足農業は32年前にベスト4になって、金足旋風が甲子園に吹き渡りましたが、この試合を小学校6年生の時に観て野球を始めたのが、現在の金足農業の監督だそうです。
高校は当然、金足農業で、選手としては残念ながら甲子園の夢は果たせませんでしたが、卒業して監督になって、吉田輝星君というエースを連れて甲子園に登場しました。

決勝戦までの金足農業の試合は、すべてドラマチックでした。
全員地元の雑草軍団が強豪校を撃破していく姿は、日本中に感動を与えました。
決勝戦の相手の大阪桐蔭高校は野球のエリート軍団で、なおかつ史上最強のチームでした(大阪桐蔭高校にもドラマがありましたね!)。
最後は吉田君が明らかに疲労でめった打ちに遭いましたが、決して吉田君と金足農業の戦いが色褪せるものではありませんでした。

そして、金足農業が敗れた時には、甲子園のアルプススタンドの上には、虹が架かっていました。
そして同じ時に、秋田の空にも、虹が架かっていました。
神様は、なんと粋なはからいをされたのでしょうか。

人生はドラマです。
そして、そのドラマを体験するためには、まず自分自身がドラマの中に入っていくことです。
この夏、金足農業や大坂なおみ選手が、それを教えてくれたような気がします。

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