むるめ辞典
■湯気
[読]ゆげ
湯の気
[例文]
体いっぱいにつまったものを弾き出すような声。戦士の雄叫びのような声。太古の土の下から聞こえてくるような小さい声。溶けた氷が土に染み込んでいくように心を濡らす声。
これまでいろんな子供がいろんな声で歌ってきた歌を私の子供が卒業式で歌うんだとお風呂で練習するのを横で聞いている。
彼女の思い出の引き出しが埋まっていく様子を見つめながら、これから先どうなるんだろうと心配の入り混じった複雑な感情が湯気に混じって浴室を浸していくような気がした。
サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。