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30万円未満の資産を経費にする際の注意点

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■以前の記事で、


 損失を繰り越すためには、

 その要件を満たす書類を
 申告書に添付し、

 一定の事項を記載して
 申告をする必要がある

 ということを
 述べさせていただきました。


 今日はそれに繋がる話で、

 青色申告の特典である

 30万円未満の
 資産の経費計上について

 話を進めていくことにいたします。

■法人であれ個人事業主であれ、


 青色申告をしている事業者であれば、

 30万円未満の
 資産を取得した場合に、

 一定の要件の下に、

 これを全額経費として
 処理することができます。

 (ただし、年間の総額が300万円までを
 限度とします)

■逆を言えば、
 
 この30万円未満の資産についての
 この取り扱いは例外的なもの。

 原則として

 10万円以上の資産については、

 これは全て経費にすることができず、

 いったん資産(『減価償却資産』と言います)
 として計上し、

 これを『減価償却費』
 という名目で計上するとともに、

 その資産の金額を消化することにより
 経費化していくことになるわけですね。

■しかしながら、


 青色申告であれば、

 この10万円以上という金額が
 30万円以上に変わり、

 30万円未満の資産であれば
 例外的に一括して経費処理することができる

 という税務の特典があります。
 

 逆を言えば、

 30万円以上の資産については
 やはり全額経費にすることができず、

 資産として計上することになり、

 減価償却を通じて
 次第に経費化していくことになるわけです。

■上記において、


 「一定の要件の下」

 と述べさせていただきましたが、

 この一定の要件というのが、
 やはり損失の繰越と同じく、

 明細書の添付であったり、
 必要事項の記載であったり

 ということが必要となるわけです。

■個人事業主であれば


 青色決算書の
 減価償却の明細書に、

 30万円未満を一括して経費にできる

 という箇所を示した
 
 条文番号などの記載が必要となります。

 また、それと同時に

 その全額経費した資産の明細を
 保管しておくことが必要。

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■法人については


 通常の申告書のほか、

 別表十六(七)

 という

 30万円未満の資産を
 経費化する旨を記載した書類を

 法人税の申告書に
 添付する必要があるわけです。

■この


 一定の要件を満たさないことに
 なってしまうと、
 
 せっかくの税務上のメリットである

 30万円未満の資産を全額経費にすることは
 できないこととなってしまい、

 10万円以上
 30万円未満の資産は、

 万が一税務調査に入ってしまうと、

 それを全て経費としては認めてもらえず、

 いったん資産として捉えられてしまう

 ことになってしまい、

 結果として
 税負担が増えてしまう

 結果となってしまうわけです。

■例外的に


 税務上の特典を受けることが
 できるものについては、

 通常の場合、

 こういった要件が何らか存在しますので、
 くれぐれも注意が必要です。

 この記事を読まれてヒヤッとされた方は、

 今一度過去の申告書を見て、

 今後同じ過ちを犯してしまわないように、

 しっかりと注意を張り巡らせて、
 その申告をしてまいりましょう。


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《本日の微粒子企業の心構え》

・いわゆる30万円未満を全て経費にできる
 という処理は、青色申告の特典であり、
 これは一定の要件の下、
 例外的に認められるものである。


・上記の一定の要件は、
 書類の添付であったり、
 申告書への文言の記載であったり、
 明細書の保管をする
 といったことである。


・これから取り組もうとする申告が、
 特例の要件を満たしているかどうかを確認し、
 しっかりと注意を払い
 適正に申告をしていくべし。

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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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