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損に損を上塗りしているという税金の悲しいお話

こんにちは。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■経営をしていくにあたって…


 と言うより
 人生においてそうなのですが、

 失敗があっての成功があるわけで、

 失敗を単なる失敗
 としてしまっていては、

 失敗することにより
 損をしてしまい、

 その損をプラスに変えるための
 努力をしない限りは、

 損が損のままで
 終わってしまうことになります。

 しっかりと
 『損』を『経験』に変えるためにも、

 失敗したその後にこそ、

 しっかりその失敗から学んで
 成功への道を歩んでいきたいものです。

■さて、ここ2週間ほどで、


 税理士の変更により

 新規のお客様になっていただく案件が
 増えているのですが、

 そこで話題になったのが、
 まさに損が損で終わってしまっている
 という残念な状況のこと。

 今日はそんなことから
 お話を続けていくことにいたします。

■新たに関与させていただくにあたり、


 過去の申告書を拝見するのですが、

 まさに冒頭に述べた
 『損』をして、

 その損に続いて
 さらに損をしてしまっている

 という状況が2件ほどありました。

■どういうことかと言えば、


 個人事業主においても
 法人においても、

 青色申告であれば、

 『損失の繰越控除』

 というものが
 認められているわけですが、

 まさに今回は

 個人事業主と法人
 それぞれのケースで、

 その損失の繰越が
 うまくされていなかった

 というお話なんです。

■損失を繰り越すためには、


 申告する側も
 それなりの処理をしないといけないわけで、


 具体的に言えば、

 個人事業主においては、

 損失申告用の確定申告書を
 添付しなければなりません。

 具体的には

 『第四表』というのが
 損失の申告用の用紙となります。


 同じく法人においては、

 『別表七』という
 法人税の申告書を提出しない限りは、

 その損失の控除は
 認められないことになっています。

■さらに


 この別表七には注意点があり、

 たとえ当期の損失を
 そこに記載していたとしても、

 『翌期繰越額』といった欄に

 その損失の額を記載しない限りは、

 それを翌年に繰り越すことができない
 ことになってしまいます。

■そこで、今回成約をいただいたお客様は、


 上述したように

 それぞれ個人事業主と
 法人の方であったわけですが、

 個人事業主の方については

 その損失繰越用の第四表が
 申告書に添付されておらず、


 法人においては、

 損失繰越用の
 別表七の添付はあったものの、

 翌期繰越額の欄に
 数字が入っていなかったばかりに、

 損失の繰越が
 過去3年間ほどできていない

 という状況だったんです。

■法人については


 その3年間の累積の損失は
 約600万円であり、

 本来であれば、 

 この600万円の範囲内で
 利益が出たとしても、

 納税は出ないのですが、

 これが繰り越されていない状況で
 同じく600万円の利益が出ると

 約160万円ほどの
 法人税などの税金が
 出てしまうことになってしまいます。

■この点には
 本当に注意が必要で、


 特に税理士によらず
 自分で申告されている人は要注意ですね。

 税務上の特典を受けるためには、
 それなりのルールが整備されており、

 そのルールに従わないと
 その特典は受けられないことに
 なってしまいます。

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■しかしながら今回は、


 税理士が関与していながらの
 こういった結果となってしまっていたため、

 私としても
 本当にいたたまれない気持ちです…

 しっかりと、

 『損失の繰越』については

 この記事を知識として
 ぜひインプットしておいていただきたい
 と思います。

■もし可能であれば、


 この情報を
 ご友人の経営者などに伝えてあげて、

 しっかりアウトプットをし

 自分の確実な知識として
 習得していただければ、幸いです。

 もしかするとあなたのその一言で
 救われる方がいらっしゃるかもしれません。

 しっかりと、
 税務上の特典を享受するためにも、

 その税務のルールを理解し、
 適正に申告をしてまいりましょう(^^)


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《本日の微粒子企業の心構え》

・損失を繰り越すためには、
 それなりの手続きをして、
 申告を適切にしていかないといけない。


・税務上の特典を受けるためには
 それなりのルールが存在するため、
 そのルールをしっかりと理解して、
 申告をするべし。


・自分で申告するのは得策
 (費用がかからないという意味で)
 であるかもしれないが、

 結局のところ
 プロに任せなかったことによる
 損失の方が上回ってしまうケースも
 少なからずある。

 経営者としての時間を生み出すためにも、
 特にお金の面ではしっかりと
 専門家の仕事をお金を払ってでも
 享受した方が良いと言える。

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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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