その【仕入】、経費にしてホントに大丈夫?
こんばんは。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■「税金が出そうだから、
今年中に仕入れを前倒しでしよう
と思っているんです。」
税金が出てきそうなため、
何とかして
節税の方策を考えたいところ。
とは言え、
上述した『仕入れの前倒し』
というものは、
一切節税にならないんです。
今日は、
先日お伝えした
【売上計上のタイミング】
のお話に続く形で、
【経費の計上の仕方】
ということについて
お伝えしていきたいと思います。
■まず大切なこととして、
【いわゆる『経費』には3種類ある】
ということを
押さえておきましょう。
3種類というのは、
・原価(仕入)
・費用
・損失
の3つ。
これを順を追って
見ていくことにいたします。
■今回は【原価】について。
これは、
小売業などに関しては
『仕入』
と言い換えることができます。
つまり、
仕入れて商品を売る
という商売があった場合、
この仕入れにあたるものが
原価となるわけですね。
この【原価】
(専門用語は分かりにくいので、
ここからは原価のことを【仕入れ】
と言い換えます)
については、
【必ず売上と対応している】
ということを
覚えておきたいところ。
つまり、
『売上に対応していない仕入は
経費ではない』
ということなんですね(^^)。
■どういうことかと言えば、
仮に15個仕入れて
10個売れたとしたら、
その10個売れた分に対応する
10個分の仕入れしか
経費として認められない
ということ。
では残りの5個は
どうなるかと言えば、
これは『在庫』になる
という考えになります。
■会計の話で行くと、
一旦は
仕入れとして15個分が
経費として記録されるのですが、
年一度の決算の際に、
在庫の数をカウントし
(これを『棚卸し』と言います)、
実際の在庫の分だけ
仕入高を計上する
という処理をします。
■具体的には、
余っている5個を
仕入れからマイナスする処理を
するわけですね。
『仕入高』
という勘定科目(分類の項目)から、
『商品』
という資産(経費ではない)に属する
項目に振替えることにより、
経費から抜くことが
できるようになります。
この処理をしないと、
10個しか売れていないのに、
15個の仕入を記録していることとなり、
それはつまり、
5個分の仕入が
多いこととなっていますので、
場合によっては、
粗利益(売上−仕入)が
マイナスになってしまう
こともあるわけです。
普通に考えて、
粗利益がマイナスになる
ということはないですよね。
これは税務調査でも
目をつけられるポイントであり、
粗利益がマイナスであれば、
その時点で
税務署から目をつけられることに
なってしまいます。
■というわけで、
今日は
経費の3つの要素の一つである
【原価(仕入)】
について見ていきました。
在庫の考え方は
本当に誤ったものが多いですので、
しっかりとその性質を理解して、
正確な利益を
把握していきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経費には3つの種類がある。
3つの種類とは、
【原価】【費用】【損失】である。
・【原価】については、
売上高と紐付いていることが
必要となる。
売上高に対応していない仕入高…
つまり在庫となっている部分については、
期末に仕入高から商品(資産の勘定科目)
に振替えることにより、
売上高と仕入高を対応させることができ、
適正な利益が計算されることになる。
・節税対策のため、
『仕入れの前倒し』ということは、
上記に述べてきた理論上
ありえないことであるため、
くれぐれも注意すべし。
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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
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