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【費用】に潜むいろいろな罠

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■前々回の記事で、


 【『経費』には3種類ある】

 ということを申し上げましたが、

 今日は、
 その経費の種類の2つ目である

 【費用】

 について
 見ていくことにいたします。


 『費用』という言葉自体は、
 よく耳にするのではないでしょうか。

 しかしながら、

 『会計における費用』

 というのは、
  
 日常生活で使うものと、
 全く違った意味合いを持つものである

 と言えます。

 会計や税金の計算で用いる

 『費用』という言葉については、

 あくまでも、

 『経費の3大要素の一つである項目を指す』

 ということを
 しっかりと意識しておきたいところですね。


■経費の中の

 『費用』については、

 俗にいう『大半の経費』を指します。

 同じく3大要素の一つである
 『損失』については

 ごく限定されたものであるため、

 商品の仕入高である原価を除く
 ほぼすべての経費がこの費用なんです。


 では早速、

 この費用の性質について
 見ていくことにいたします。

 
■費用の性質を一言で言えば、

 【その期間に対応するもの】

 と言うことができます。

 つまり、

 当期に支払ったもののうち

 【当期の期間に対応するものだけを
 経費として考えていく】

 という考え方なんですね。

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 具体的に言えば、


 例えば、

 1ヶ月10万円で
 年間120万円のコンサルティング料を
 7月に払ったとしましょう。

 そしてそのコンサルティングは
 毎月終わっていくもの

 という前提で考えていきます。

 すると、今年中に終わったコンサルティングは
 7-12月までの6ヶ月分。

 だとしたら、この6ヶ月分だけを
 経費化していくことになるわけです。

 つまり、120万円のうち半分(6ヶ月/12ヶ月)
 である60万円だけが経費になるということ。

 残りの60万円は前払いとして、
 資産(経費ではない)としての項目に
 入っていくことになります。

 その他には、

 例えば、
 車などを買った際に計上していく
 『減価償却費』も同じですね。

 これも耐用年数は4年である
 軽自動車を当時の7月に買ったとしたら、

 これも12月までの6ヶ月分だけ
 経費化していく

 という考えなんですね。


■このようなことから考えると、

 経費を大きく前払いした場合は、
 特に注意しなければなりません。

 最も注意しなければならないのは、

 例えば翌年1月に受講する講座の受講料を
 今年12月に払った場合や、
 
 同じく翌年1月に
 サービスを受ける修理など支払いを
 12月に前払いした場合、

 これは今年の経費ではないんですね。

 あくまでも

 『前払費用』ということになり、

 『経費にならない』

 ということになります。

 (前払費用は費用という名前なのですが、
 資産(経費ではない)を表す項目になります。)

■というわけで、

 今日は
 経費の3大要素の一つである

 費用について見ていきました。

 どんなものでも
 支払った瞬間経費になる
 というものではないので、

 くれぐれも注意しておきたいものです。

 費用については、
 結構誤った認識を持たれている
 ケースがありますので、

 本当に十分に注意して、

 適切に会計処理を
 していきたいところですね(^^)


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《本日の微粒子企業の心構え》

・費用の大原則は、
 【期間に対応する】ということ。
 
 実際に支払いがあったとしても、
 それは『単なる前払いでないか』

 ということを
 しっかりと意識しておくべし。

 原則として、
 今年に使用したり
 サービスを受けたりするものだけが
 今年の経費となる。


・特に12月に支出をし、
 翌年にそのサービスを
 受けたりするようなものは、

 税務調査でも着目されやすいので、
 くれぐれも注意すべし。

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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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