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へやのなか

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わたしが書いたものです
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#未練

未練

未練

あなたはいつも大股で
歩くのが速くて
わたしはついて行くのに精一杯だった

合わせてほしいって
言えなかった
嫌われるのが怖かったから

あなたはよく笑って
褒めてくれて
わたしは照れ笑いを返すしか出来なかった

眩しくてたまらなくて
上手な返しなんて
考える余裕がなかったから

あなたはずっと前を見てる
どんどん遠くなる

わたしはまだ
道端の萎れた雑草なんかが気になってる

あなたの笑い声が遠

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泣き虫と文字書き

泣き虫と文字書き

メモ帳に滲むインク

それをぼんやり見つめるわたし

扇風機は規則正しく首を振り
時折ページを踊らせる

うたにもならなかった、言葉たち
何の振動も起こさない、言葉たち

それらに思いを馳せるのは
未練を寄せるのは

もうやめたほうが良いのかい

きっと日の目を見ることのない
いとしいわたしの言葉たち