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私の働き方改革~後編~

本コラムは、2017年9月に村上が運営するコミュニティの会報誌vol.2にて公開した連載コラムを特別公開するものとなります。

コロナ不況で働き方が揺らぐいまだからこそ、読んでいただきたいコラムとなっております。

▼前編はこちら

転職、そして再びの独立

目の下にはクマ、唇はカサカサ、こけた頬、
壮絶な戦場をぼろ雑巾のようになるまで駆け廻った私は、
新たな戦場を目指します。

仕事に対するスキルや経験、
そして経営にも関与したことに対する自信も備わっていました。

そして世の中の景気も回復してきたため、
夜の電球に群がる昆虫達のように、
華やかな不動産投資の世界に舞い戻ることとなりました。

32歳の時です。

この頃は自他ともに認める仕事の能力も身に付き、
幹部候補として部長職にて迎えられました。

仕事の環境はいまだかつてないほど良好でした。
ブラックな環境で育ってきた私には眩しすぎる光景です。

社内で笑っても良いんだ…!
私語をしても良いんだ…!
それでもちゃんと稼げるんだ…!

衝撃的でした。

客層も激変しました。
多重債務に苦しむ破産者から、
高所得の富裕層に変わったのです。

もともとファンド事業やテナント運営の経験があり、
債務整理時代の法的知識や数字の組み立て、
経営側の視点も持ち合わせていた私は、
転職後も絶好調でした。

完全なホワイト起業。
悪く言えば水に近いほどのぬるま湯。

心身ともにどっぷりと
つかっていたい気持ちもありました。

しかし、「自信」という勇者の鎧を身に着けた私は、
やりたいことを具体的に考えられるようになっていました。

そして組織との意識のかい離から、
転職後半年ほどで再度独立への意思を固めました。

その半年後、33歳の誕生日に、
世界征服の野望を胸に、
満を持して皆様のコン・パスを立ち上げました。

今まで培ってきた経験や思い、
そして「私らしさ」を全開にして、
思いっきりやってみたかったのです。

自分らしさは後からついてくる

今思えば、
「自分らしさ」を求める
=自信がないことの現れ
だったのだと思います。

自信がある人間は、
そんなことを意識せずとも
勝手に自分らしさが出ているからです。

また、自由を欲する人も同じだと思います。

常に何かに不満を持っている人は、
漠然とした自由を欲しています。

自信のある人は自分で全てを決断し、
その結果を受け入れ、
精神的に自由に生きています。

これは成長する人・しない人にも
顕著に表れていると思います。

人間は誰しもが成長するものですが、
その可能性を閉ざしてしまうのは、
環境ではなく自分自身の心の持ち方です。

特に最近感じるのは、
全てを他者や環境のせいにし、
自分自身の行動や変化を嫌い、
ネガティブな発想をする人。

そんな人は成長する機会が
目の前に現れても、
それを自らスルーしてしまっている
ということです。

チャンスを否定的に捉え、疑い、
羞恥心を抱き、そして同じ環境に居続けます。

その結果、
成長する人たちに差をつけられ、
それでも自分の居場所を守り、
やがて時代に取り残され、
いわゆる「できない人」になっていきます。

非常に残念でもったいないです。

このネガティブな発想を
ポジティブな発想へと変化させるだけで、
成長のチャンスは大きく広がります。

「自分らしさ」の追求に起因する、
「成長しない考え方」から、
「自分らしさ」を忘れ、
仕事の面白さや充実を追求した、
「成長する考え方」へと発想を
変化させれば良いのです。

よくいるタイプが、
冷静沈着で頭が良いのですが、
皮肉屋で全てを否定的に捉える人
です。

一見仕事ができそうで
ミスもないのですが成長もありません。

何事にも冷静に否定をすると
頭がよさそうに見えるのですが、
実際はチャレンジすることに対する怯えや、
自分を守るための手段にすぎません。

今までの私の人生を振り返ってみても、
大きく成長できたのは環境ではなく、
考え方によるものでした。

もちろん環境は大事なのですが、
いくら良い環境にいても
考え方がネガティブであれば
成長はありません。

逆に、どんなにえげつない環境であっても、
気の持ちようによっては常に成長へと繋がります。

サクセスストーリーは罠

自分らしく生きようぜ!
他者が何と言おうが信念を貫こうぜ!
自分を信じ続けた結果、最後には勝利したんだぜ!
夢はあきらめちゃいけないんだぜ!
個性を磨こうぜ!

世の中では毎日のように
成功者のサクセスストーリーやカッコいい言葉を、
嘘くさい笑顔で語っている輩が登場しています。

学校の教育も同様で、
「夢」や「個性」を正義としています。

私がかつて求めていた「自分らしさ」も、
おそらくそれらに起因しているのだと思います。

しかしそれが大きな罠でした。

確かに大きく成功している方達や一部の天才は、
自分の信念を貫き通しているのかもしれません。

しかし現実にはそのような人は稀で、
多くの人はただの悲観的で仕事ができない人や、
口だけで行動しない人で終わります。

なぜそのようながついてしまうのか。

それは当然持ち合わせた才能や運もあると思いますが、
多くは目指すべき目標やビジョンが逆なのだと思います。

若いころの私のように目標もビジョンもなく、
根拠のない自信やプライドだけは持ち合わせ、

全てに対し否定的で文句ばかり、
それでいて行動はせず、
薄っぺらい「自分らしさ」や
「自由」「夢」ばかりを追い求めている人。

そんな人は世間知らずで
自分の殻に閉じこもり、
成長せず、変化せず、
結果何ものにもなれません。

それでカッコつけていられるのは
若いうちだけです。

逆に成功している人を見ると、
目標やビジョンに真剣に向かい合い、
何が何でもやり遂げようとする行動力や、
なりふり構わない精神力の結果成功を手にし、
気づいたら「その人らしさ」が
身に付ついてきたのだと思います。

今までの経験上「自分らしさ」を封印し、
すべてをいったん受け入れた方が
成長できる可能性がぐっと高まるというのは、
ほぼ間違いないことだと思います。

なんでもそうです。

例えばピアノの奏者は初めてすぐに
オリジナリティに溢れた演奏をするでしょうか。

画家は個性的な絵を
最初から描くのでしょうか。

学者はいきなり世紀の発明をするでしょうか。

違います。

まずは先人達が築いてきた
初歩のあまり面白くない教則本からスタートします。

そして血のにじむような努力を積み重ね、
基本的な技術をマスターし、
そこから初めて個性が発揮されるのです。

基礎が強い人ほど
よりその個性は輝きます。

個性=自分らしさ
自分で編み出すものではなく、
後からついてくるものなのです。

これはサラリーマンでも一緒です。
最初からイノベイティブな仕事などできません。

時間も裁量も自由に、
夢や希望を語り合いながら、
キャッキャウフフな感じで
働くことなどできないのです。

黙って言うとおりに働け
休みなんて考えるな

これを社畜と軽蔑する人も
いるかもしれません。

それでもまずは「自分らしさ」や「夢」をいったん置き、
厳重に封をして忘れてしまいましょう。

新しい環境に骨の髄まで
つかってしまおうと覚悟する
こと、
これこそが何よりも大切なんです。

「成長する考え方」になれる
大事な心構えなんです。


成長する考え方へ


私が「成長しない考え方」から
「成長する考え方」へと変化できたのは、
良い意味で吹っ切れたから。

リーマンショック後の絶望的な環境、
多重債務者たちの切迫した人生、
それらを垣間見ることにより、

小さいプライドなどは捨て、
思いっきりやってやれと思ったのです。

それまでの経験から
人生を生き抜く自信も持ち、
そこから目標も具体的に
考えられるようになったのです。

しかし目標というの
そんなにすぐには見つかるものではない
というのもわかります。

特に就職活動をしている大学生達は
大いに悩むところです。

若者だけではなく、
大人であっても明確な目標が
見つからないまま働いている人の方が
世の中には多いと思います。

たまたま目標と思いこめるものを
早い時期に見つけられた人達は、
ただ運が良いだけなのかもしれません。

そしてメディアでは

夢や目標が何よりも大切

と吹聴するため、
それに対する焦りを感じる人も多いと思います。

しかし、人に語れるような大きな夢や目標がないのなら
なおさら、まずは24時間365日、
趣味=仕事と自信を持って言えるくらいに、
社畜上等と笑って言えるくらいに、
濃密な仕事をする時間を過ごした方がいいと思います。

本気で仕事に向き合えばこそ、
その責任や重圧は増し、常に何かに追われます。

そうすることにより、自分のしたいこと、
したくないことがはっきりと見えてきます。

何を目標にすればいいのかが
自ずと感じるはずです。

「考えるな、感じろ!」です。

そしてそれらの経験が決して無駄にはならず、
必ず次に活きてきます。

本気で仕事をしている人は強いのです。
ちょっとやそっとじゃへこたれません。

実生活にも生きてきます。
副業や転職、起業にも役立ちます。

逆に目標がないのにもかかわらず、
ホワイト起業でクールに楽しく、

見かけだけのオフを充実させ、
仕事ではそこそこの成果で満足し、

無気力無感動な中身の薄い毎日を過ごしている人は、
それらの経験が活きません。

気づけば労働市場での価値はなくなり、
転職の自由がなくなり
窓際へと追いやられるのです。

そして南国のビーチで
カクテル片手にMacを開いて自撮りする、
「自称成功者」へ憧れるのです。

仕事とは何かをわかっていない証拠です。

自分の時間がなによりも重要だし、
自由に時間が使えない人生は意味がないし、
自己投資のためにも時間は有効に使いたいし、
時間がなければ考えることもできないし・・・

などと反論する人もいるでしょう。

本当にそうなのでしょうか。

そんなにプライベートは重要なのでしょうか。

有意義な時間を過ごせるのでしょうか。

そういう人は例え時間があっても、
SNSでリア充アピールに必死なだけ、
ではないのでしょうか。

そして大事な決断を後回しにしているだけ
ではないのでしょうか。

現実的に本気で取り組む趣味を
持っている人はごく少数だと思います。
そういう方達はそれでも良いと思います。

趣味のために働く、
趣味を極め世界へ羽ばたく、

貧乏でも生活保護でも孤独死しようが
趣味が大事。

それはそれで立派です。本心です。

でもそこまで趣味に情熱を注いでいる人を
見たことがありません。

ほとんどの人は暇つぶしや
遊び程度だと思います。

本気で余暇を過ごしている訳ではないのです。

それでは人生の目的など
見えてこないと思うのです。

むしろ極限の状態、
パニック寸前、
焦燥感に追われている状態の方が、
自分自信のことについて真剣に考え、
その状況を打開するために
脳みそはフル回転するのではないでしょうか。

その状況を乗り切った時にこそ、
成長や充実を感じるのではないでしょうか。

そしてその後のすばらしい休暇を
過ごせるのではないでしょうか。

人の生き方や考え方はそれぞれですし、
絶対的な正解はありません。

何が幸せで何が不幸かを決めるのも
自分自身です。

しかし、世間を見渡せば
いかにつまらなそうな人たちが世の中にあふれているか。

通勤電車に揺られている人たちの顔は
幸せそうに見えません。

メディアは相変わらず「夢」や「希望」、
「自分らしさ」の押し売りに躍起になっていますが
現実はその真逆です。

ブラック企業とののしり、
ワークライフバランスを持ち上げ、
働くことの自由や、夢を追うことの自由を
止めようとしています。

働き方ぐらい自分で決めさせてほしいのです。

生き方ぐらい他人に
あーだこーだ言われたくないのです。

そんなに会社が嫌ならやめればいーじゃん、
転職すればいーじゃん、
起業すればいーじゃん、
だけど仕事はそんなに甘くない、
だけど仕事は本当に面白いと声を大にして言いたいです。

ワークライフバランスを重視し、仕事をするのは生活のため
仕事は苦痛で当たり前

などと考えている方は、
1日8時間×週5日、人生の大半を無駄にしています。

逆にワーカホリックの人は

仕事チョー楽しいっす!
ワクワクドキドキが止まらない~!
ガクガクブルブルが止まらない~!


そして時間を忘れて仕事に没頭するー

そんな人は人生を楽しく過ごせています。

本気で取り組んだものは
その成功の可否に関わらず面白いのです。

充実します。自信もつきます。
成長するのです。

惰性で取り組んだものはつまらないです。
充実感もありません。

たまたま成功すると調子に乗ります。
そして成長しません。

仕事は生きていくため、
お金のためだけのものではありません。

世の中に貢献できることの充実感、
その対価を得ることの満足感、
成長を感じられる達成感こそが
大切なんだと思います。

「ビジネスは面白い」
私が常々言っている言葉です。

社員も、皆様も、多くの方がそう感じてもらえるよう、
そして不動産投資はそれを実現できるものだと信じ、
コン・パスは今日も白目をむくほど頑張っています。

ーFinー

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