【短編小説】ああ、そうだ
今日の天気は曇り
不健康を少しでも改善するために一週間前から散歩を始めた
きれいに舗装された歩道を歩く
そうだ、向かい側のドトールに寄ろう
横断歩道の信号待ちをしつつ、進むはずだったまっすぐな道を見つめる
歩道と車道との境に植えられた桜は葉を動かすことなくただ佇んでいる
西日が雲の隙間から顔を出し自分を包み込む
ああ、そうだ
死ななければいけない
ポケットから携帯を取り出しロック画面を見る
6/25 18:30
なんてこった
夏まで1か月しかないじゃないか
準備をしなければ
信号が赤から青に変わった
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