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【短編小説】電子ドラムに思いを馳せて

木曜日の16時過ぎ

イオンの3階を歩く

せっかくの休日だ
本屋で1時間ほど使い、無印で夏物の服を購入した
残りは食材だが、それはに帰えり間際に購入する

ふと楽器屋の前にあるソファを見つけた
休日であれば空きなどないが、今は座っている人はいない

今日が平日ということと、外が記録的豪雨ということが関係しているのかもしれない
一人用ソファに腰を下ろし少し休憩することにした

イオンの店内は閑散としており、どことなく物語の世界のような感覚さえある
昔のゲームではゾンビが街にはびこった際は、大型ショッピングセンターに駆け込むのが主流だった
ここの下の階にはスポーツショップがあるから、とりあえずバットは確保できるはずだ
できれば釘も欲しいところだが、どこの店にあるだろう
いや、そもそも自分にバットに釘を打ち付けることができるだろうか

そんなことを考えていると、背後からドラムの音が聞こえてきた
ふと首を向けると小学低学年の女の子が電子ドラムの椅子に座っていた

いいなぁ
自分が小さいころにはこんな経験できなかったなぁ

女の子から視線を戻しイオンの天井を見上げる
歳をとって自由に触ることができない自分の後ろで、女の子は無邪気にリズムを奏で続ける

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