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大人の文明探訪!BIZEN中南米美術館で古代中南米の魅力に触れる

先日岡山の備前市にあるBIZEN中南米美術館に行ってきました!

かねがね行こうと思っていたのですが、自宅から2時間半とそこそこ距離があるのでなかなか機を逸してましたが、7月にグアテマラへ渡航を予定しており、事前に勉強などしておいたほうがより楽しめるかもと思い、予約の上訪問しました。
ここは中南米美術館であり、テーマパーク。非常に満足感が高かったので、その内容をレポートさせて頂きます。


1. BIZEN中南米美術館とは?


レポートの前に簡単に美術館自体のご紹介をしたいと思います。

BIZEN中南米美術館(びぜんちゅうなんべいびじゅつかん)は、日本の岡山県備前市日生(ひなせ) にある美術館で、1975年開館。メキシコ、グアテマラ、エクアドル、ペルー、ボリビアなど中南米の古代土器、土偶、石器、金属器などを収蔵展示する中南米に特化した珍しい美術館です。館長の祖父がパナマなど事業を行っていたことから、コレクションの始まりだそうです。
2F建てのコンタクトな美術館ですが、展示はぎっしり敷き詰められています。美術館に展示しているものはほんの一部だそうで、定期的に展示品を入れ替えているようです。ここまで古代中南米の展示品を見られるのは、チリの Museo de chileなど世界でも4つほどしかないそうで、貴重性の高い美術館です。

美術館外観


最寄り駅はJRの日生駅から徒歩6~7分で、道すがらお好み焼き屋がたくさんあります。カキオコ(牡蠣入りお好み焼き)がご当地グルメだそうで、是非行かれる際はご賞味を。なお、駅前にはコンビニないので、この点だけご注意(?)下さい。


2. いざ入館!


現在は「チョコレートの王国 エピソード2」 という特別展が展示中です (9/29まで展示)。入館料700円を払った後、館長さん自ら古代メソアメリカ文明年表を用いながら、地域ごと文明の変遷を大まかに説明をして下さいました。

ポップなポスター


その後今回の展示のチョコレートにまつわる話も説明して下さいました。その説明のなかで驚いたのですが、エクアドルがチョコレートの発祥とのこと!今までチョコレート = メキシコ, マヤ文明が起源! というイメージがあったのですが、最新の研究ではとのこと・・・・。それを知ったエクアドル政府が、チョコレート入れる古代土器(レプリカ)を作成し、各国に配ったとのこと。それが展示されています↓

よく見ると顔があります


その近くにはカカオ豆のマントを羽織った貴人土偶が展示されていて、フォルム、デザイン、表情含めてたまりません。

愛嬌と悲壮が同居したナイス表情


そのあとは笛吹きボトル(笛付きの土偶) の変遷もレクチャー頂きました。笛吹きボトルは古代エクアドルのチョレーラ文化(海岸沿い)から生まれた文化で、儀式用として使われていました。古代はチチャ (とうもろこしのどぶろく)につけてお酒を移し入れると音が鳴るシングルチャンバータイプと、上下左右に振ると鳴るダブルチャンバータイプの二種があったそうです。


シングルチャンバーの笛
ダブルチャンバーの笛

だその後、各地域にも伝播し、展示室には北エクアドルで使われていた笛付き土偶も展示されていました。これにはかなり見入ってしまいました (実際見てみると色質感ともに素晴らしいです!)。館長がその場で吹いてくれたのですが、和音が出せる笛でした。

館長の笛吹きデモの一幕
笛付き土偶。色が素晴らしい!

また個人的にはペルーで出土されている笛吹きボトルもかなり見ごたえがあり、まじまじと見てしまいました(どれも可愛いですね)。ちなみにアンデスではヘビ、ジャガー、コンドルが神聖な動物なんだそうです。



途中で休憩もはさみ、続いて2Fも見学させてもらいますと、チョコレートカップなど食器を中心に展示されていました。

2Fの様子
グアテマラのチョコレートカップ

2Fはマヤ文明がフィーチャーされており、来月渡航予定のグアテマラ関連の品も多かったので、テンションが上がりました!

チョコレートカップですが、ゆうに1lくらいは入りそうなサイズでして、マヤの王様はこうしたカップで一日にカカオ飲料を20~30杯(!?)飲んでいたようです。当時の平均寿命は30歳弱だそうですが、飲んでいた王様は 60-90歳まで生きていたそう。ポリフェノールの抗酸化力を思い知らされました。。

チョコレートカップ (思ったより大きい)

個人的なイチオシは、グアテマラのイグアナをとカカオポッドをあしらった香炉の蓋。でかでかと展示されているのですが、まずこの2つを掛け合わせた点がニクいです。そしてどのアングルから見ても非常に精巧かつ迫力があり見入ってしまいました。

アナをとカカオポッドをあしらった香炉の蓋。

後はタマレス用のお皿も気に入りました。


以上、ざっとハイライトでお伝えしましたが、ここまで2時間はかかっていたと思います。


3. ヤシュ・ナープ村の住民になった


現在、どこの美術館も経営が大変な状況です。素晴らしい展示品を持つBIZEN中南米美術館も現在寄付を募っています。

寄付額目安は6,000円からで返礼品として自身の名前のマヤ文字スタンドやハンコがもらえます!訪問日に感銘のあまり、私も微力ですが寄付させて頂きまして、現在返礼品待ちの状態です。このマヤ文字スタンドですが、推し活のプレゼントとしても送られる方もいらっしゃるようです。

マヤ文字スタンド (額もついてます)

(寄付の案内はコチラ)

寄付をするとヤシュ・ナープ村の住民認定を頂けます。24年6月13日の時点で、住民は2,733人。住民にはむらびとだよりが配られたり、古代メキシコ料理を食べる会などのイベントの招待がありまして、積極的に関わればとても濃い中南米ライフが送れること間違いなしです。 (一緒に住民になりましょう!)


4. 振り返り、まとめ


今回のBIZEN中南米美術館の訪問を通じて、古代中南米文化の奥深さと魅力を存分に感じることができました。展示品自体は美術館、そこに館長のホスピタリティと説明が加わってまさにテーマパーク。ただ見るだけでは得られない貴重な知識を学ぶことができました。訪問の際には、時間を忘れてじっくりと展示を楽しむことをお勧めします(入館から退館するまで気づけば3時間近くたっていました。)

帰りにはがき、プランター、ナスカクリップなどグッズ購入して帰りました (全体的にお求めやすい価格です)。また帰宅後、館長が勧めてくださった 「古代マヤ文明-栄華と衰亡の3000年 (中公新書)」 も買いました。これはグアテマラ行きの飛行機で読みたいと思います。

中米旅行のお供

少しでも興味を持たれた方は、きっと満足されると思いますので、ぜひ訪問を強くお勧めします!後悔はしないと思います!(事前の電話予約をお忘れなく)

来月のグアテマラの渡航の様子はまたレポートする予定です。中南米の魅力を探求し、読者の皆様に共有できることを楽しみにしています。お読み頂きありがとうございました。

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