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この歳になって、やっと観光地のガイドツアーが楽しくなってきた

北欧旅行の間には、何度か現地の観光ツアーに参加した。主に観光周遊券に含まれているので元を取りたいという理由からだったけど、結果的にどれも参加してよかったと思っている。

すべて英語のツアーだったので、理解しているのは6から7割程度だと思う。それでもよかったと思うのは、自分でGoogleで調べたりするより、ピンポイントで面白い話が聞けるし、主要な場所を逃さないからだ。

ひとつ付け加えておけば、私は旅行にそれほど効率を求めていない。自分のペースで回る方が楽しいし、気分に合わせてただベンチに座るとかご飯を食べないとかしたい。それと金額の理由で、パックのツアーは使わない。

でも、2泊3日くらいの短い旅行では、ツアーは好きじゃないとか言っていられないこともある。その点、例えば1時間のツアーに参加すれば、むやみに自分で歩き回って大切な展示、スポットを見逃していたというような失敗はない。それに、一度話を聞いてみると、驚くほどその後自分で見て回っても理解が深まるのだ。

さて、慣れているガイドさんは旅行者が聞きたい話をよく分かっている。個人的には歴史とかアートとか、端から端まで全部の説明書きを読むほどの甲斐性はないけど、背景がわからないといまいち感動も薄いというものほど、ガイドさんの説明がありがたい。ただの暗い建物が、急に世界で唯一の〇〇になったりする。

昔は、ツアーガイドの類が苦手だった。たいていコミュ力の高い人たちの集まりで(仕事柄そりゃそうだけど)、その陽のエネルギーに圧倒されたし、その人たちに話しかけられそうになると、人見知りの私は学校の先生に当てられるのに似た緊張を感じた。

そうじゃないものでも、自分のペースで動けないこと自体がストレスだったり、説明の面白さを見出せずに途中で飽きたりしていた。今思うと、すごく贅沢だ。

学生時代は、だれかに説明してもらう、教えてもらうという状況があまりにも日常で、飽和していたんだと思う。大人になって一人で旅行をしても誰も教えてくれない。お金を払ってガイドさんに頼んで、やっと人から教えてもらえるようになって、学生時代の贅沢さ、そして怠惰さを実感したのだった。

今は、詳しい人から教えてもらうのが面白くて仕方ない社会人だ。今学生に戻ったら、もっと勉強したいと結構真面目に思っている。でもだからと言って学生に「大人になると勉強したくてもお金や時間の確保が大変だ!君たちは恵まれている!」とかいっちゃうのはただの老害だし彼らには響かない。だから私はもくもくと学び、「楽しそうな大人」をすることにした。

大人になってから無理して大学に行かなくても、講義に申し込まなくても、たった1時間のツアーなら遊びとして学べる。その贅沢さをあらためて分かるようになった今、私はガイドツアーを楽しめるようになった。ガイドさんは本当に知識豊富で素敵である。また次の機会があれば、積極的に参加したい。

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